英文構成法

著者 :
  • 金子書房 (1973年3月1日発売)
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本棚登録 : 105
感想 : 3
5

いわゆる5文型を拡張した24パターンでまず単文を徹底的に演習した(第2部)後、節の概念や関係代名詞、等位接続詞を導入してやや複雑な文の演習(第3部)に移る、という構成で、無理なく進めることができると思います。
まるっきりの初心者ではなく、大学受験などで一応は何となく英文らしきものが書けるというレベルでも、第2部の何が何でも単文に収めるという「しばり」で表現するということは、なかなか頭を使う作業で、勉強になります。

各章冒頭の例文と演習問題でこれはと思った文は極力暗記し、演習問題は解答を見ずにとにかく何か書いてみるというやり方で、前半(第1,2部)を2周、後半(第3部)を1周だけを終えた現段階では、少なくとも何かは書けて、模範解答と当たらずも遠からずの文が書けるようにはなりました。

本書の初版は1949年、僕の手元のものは五訂新版第124刷という息の長い本です。
英語が古臭いという評判は僕にはよくわかりませんが、日本語が古臭いとか判りにくいという評価は全く当たっていないと思います。
確かに和文は直訳調だったり固い調子であったりしますが、これは係り受けを明確にしたが故のものと思われます。「いきいきした日本語」は往々にして係り受けなどが不明確で、英訳にあたっては”和文和訳”的な余計な一手間が必要になることがあります。
本書はあくまで入門書であり、固い調子の和文は、その余計な一手間を省いて英文の構成に専念させる工夫なのでしょう。
(個人的には、古臭さこそが本書の魅力だと思ったりもしますが。)

いわゆる佐々木三部作を制覇するという野望の下、まず第1歩。
後半をもう一周して、最初からもう一度さらって仕上げたら、かつて挫折した「和文英訳の修行」に、少し自信を持ってアタックできるかもしれません。

模範解答に解説がない点は今時の学習書基準では不親切にも見えます。でも、本文に戻れば必ず何かヒントが書いてあります。
当然、星5つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 語学
感想投稿日 : 2012年3月12日
読了日 : 2012年3月9日
本棚登録日 : 2011年7月11日

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