コーネリアスのリミックス集第2弾で、99~02年のリミックス・ワークを収録。ブラーからボニー・ピンク、テイ・トウワまで、アーティストの多彩さにまず感嘆するが、なによりも小山田のリミックス・センスがすばらしい。どの曲も原曲のヴォーカルはほぼそのまま残し、音数が少なく繊細な音作りでメロディーを生かし、その上で彼の色も明確に出ているという、ある意味理想的なリミックスだ。たとえばベックなど、原曲とはまったく違うドープなエレクトロニカにベックのヴォーカルが乗っているので、両者のコラボレーションといえる仕上がりになっている。全体として、01年の彼のアルバム『point』に通じるような、アコースティック楽器を強調した、音響系~エレクトロニカ的なアプローチが多いのも興味深い。単なるリミックス集ではなく、この時期の彼の方向性をより深く知ることができるという意味でも、非常に重要な作品といえる。
なんだか(2)なんて聴いていると“まんま『Point』じゃん”と微笑ましく思えてくる。よそ行きじゃないのが素晴らしい。BECKやブラー、スティング、電気グルーヴなどの楽曲を小山田圭吾がリミックスした全13曲。このひとの音楽はいつでもかわいいが、本作も例外にあらず。
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カテゴリ:
邦楽 Alternative & Punk
- 感想投稿日 : 2010年7月19日
- 本棚登録日 : 2010年7月19日
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