ブックオフで見かけたので読んでみた。
上野千鶴子さんが「対幻想」というこの本の著者である吉本隆明さんの用語に拘っておられていたのが気になっていたし、共同幻想という言葉は、池田清彦さんの本にも出てきたし、岸田秀さんの本にも出てきてたので…
国家が幻想であるということを論証するものであって、題材には遠野物語と古事記が使われている。遠野物語の方は生活共同体に成立している共同幻想と人間の精神活動との関係を説く時に用いられ、古事記の方は国家成立に至るまでの共同幻想の変遷が語られる時に用いられていた。特に古事記を使った共同幻想の変化は興味深く読めた。
性に関する幻想の領域を示す「対幻想」という概念がわたしの中では明確にならず、ならなくてもいいのかもしれないが、ちょっと居心地が悪いが、親子の関係や、家族の関係についておもしろい視点が得られた。
それと夏目漱石が奥さんからひどく収奪され辛い思いをしていたことには驚き、共感した。やっぱり夫婦ってそんなものなのね…(苦笑)
Mahalo
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
思想
- 感想投稿日 : 2013年3月3日
- 読了日 : 2013年3月3日
- 本棚登録日 : 2013年3月3日
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