宇宙・0・無限大 (光文社新書 1261)

著者 :
  • 光文社 (2023年6月14日発売)
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感想 : 7
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難解であろうテーマを平易に説明していて、大変読みやすい。宇宙のような超マクロな世界から、量子論でしか扱えないような超ミクロな世界まで、'無限大'はあるのか?'ゼロ'は存在しているのか?を追求している。宇宙の創生から終焉まで、本書のテーマの視点から迫っていく。現在の宇宙では観測できる5%の元素の世界しかわからない。この中で、重力、電磁気力、強い力、弱い力と4つの力があるが、いずれも遠隔力であり、距離'ゼロ'にはならない、という説明は斬新であり説得力がある。プランクスケールという現在わかっている物理定数だけでは、'ゼロ'に近づけない限界があり、これは時間やサイズだけでなく、絶対零度(ケルビンで)にもあてはまる、という。当たり前のようにあるものと信じている'ゼロ'が、実は存在できないという。今まであるものと信じてきた固定観念を粉砕する説明には、興味を惹きつけられ、一気に読まさせられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月18日
読了日 : 2023年6月18日
本棚登録日 : 2023年6月17日

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