物語という既存フォーマットに対してどこまで不誠実でいられるかをひたすらに実験しているような漫画であった。どこで終わってもいいような気もするけど、続くなら続くでこちらとしても延々と読んでいられるうんこ味の金太郎飴構造。
よく「まじめに読むのが馬鹿らしくなる」などというけれども、この漫画はむしろ画太郎先生のまじめになんか読ませてやらねー!という明確な意志の元に描かれていた。
さっきどでっ腹を突き破られて死んだはずの男が次のコマでは普通になんの説明もなく生きてセリフを喋っているようなシーンばかりなので、どんなにまじめに読もうと思ってみても、結局はへこたれて「これはもうそういう漫画なんだ」「考えても仕方がない」「受け入れる他にできることはなにもない」とある種の悟りを開いて読み進めていくしかなくなってしまう。
コピーを多用した前後不覚のループ構造も手伝って、なんだかお釈迦様の手の中で転がされているような気持ちになったが、むしろそのわからなさが心地いいような気がしないでもないような感じがなくもない雰囲気。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2013年11月19日
- 読了日 : 2013年11月19日
- 本棚登録日 : 2013年11月19日
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