白黒のはずなのに、色が見えるから不思議。
ネコ担当の彼は今でも空を作っているのかな、と空を見上げる。
白い花を見るとぞっとする。
姉を亡くしたあのこは、今でもあの女の人に飼われているのかな。
青い石のついた指輪を待っているひとも、いるんだろうか。
蟻が自分の肌を這って行く感触を感じる。
爆音で通り去って行く爆撃機と、耳の中のやけに無音な世界。
夢から醒めるその一瞬に息を吸って、現実に安堵しながら、退屈する。
手から離れた黒い羽の行く末を案じながら、それでも生きていたことに感謝する。
本を閉じたときに、呼吸の仕方が変わっていそうな本です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画(は行)
- 感想投稿日 : 2012年5月15日
- 読了日 : 2012年5月15日
- 本棚登録日 : 2012年5月15日
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