映画が公開した当時からその美しいポスターは気になっていて、でもなぜかそれから10年以上も観なかった映画ですが、今観てこそだったのかもしれません。
10年前に観ていたら、ちんぷんかんぷんだったかもしれない。
ヌーヴェルヴァーグに関する知識がほとんどないので、途中でスロットインされる映画へのオマージュを2割も理解していないのは重々承知で、でもあのオマージュの入れ方がまずスタイリッシュ。
ストーリー展開としてはフランス5月革命と思想や理想ばかりで行動(というか経済力?)が伴わない若者(ドリーマーズ)をうまく絡めたなあ、くらいなものですが、キャスティングは神がかっているのでそんなことが全然気にならない。
エヴァ・グリーンとルイ・ガレルの双子が、はまり役です。退廃的で、でもちゃんと若者で、血気盛んな割にちょっと甘ちゃんで。
バスルームでの三面鏡の使い方が最高に洒落ています。鏡を通して見えるものって、どうしてああも非現実的に見えるのでしょう?
原作ではあったらしいテオとマシューのシーンが削られていたのは残念。あの3人なら、どのカップリングもできてこそだと思っていたので、テオとマシューがないことによって、ただの凡庸な三角関係のようになってしまったのが本当に残念です。
双子に翻弄されたかのように見えて、その実、自身もドリーマーズの一員だったマシューは双子を使ってその夢から目を覚ますことにしたように見受けられました。エンディングにかかるNo regret が恐ろしかったです。
映画の本筋とはまったく関係なしに、双子の体が素晴らしかった。芸術品のように美しく、でもただ美しいだけにとどまらず、ちゃんと(?)耽美で妖しく色香漂っていて。イザベルがテントの中で起き上がるシーンが特に好きでした。子鹿のようで。テオは、雨に打たれて帰ってきた後、マシューの前でパンツを脱ぐところが好きです。その後、下着もつけずにパンツを履くところも好き。
- 感想投稿日 : 2016年12月8日
- 読了日 : 2016年12月7日
- 本棚登録日 : 2016年12月7日
みんなの感想をみる