関東大震災後、バラックをスケッチすることからうまれた考現学。
もちろん、考「古」学に対する考「現」学。
柳田に代表される民俗学は、生活の「意識」の研究が中心で、また文献よりは口碑や伝説などの聞き取りが資料として重視された。
一方で考現学は、直接目で観察でき、スケッチに採集できるコトとモノにしか興味をしめさない。
採集の対象は眼前にあるあらゆる現代風俗であり、対象の多さこそが選択を困難にする。
なにを採集するか――。
このとき、「その土地を的確に表象するものを見当てて選択」することこそ要諦となる。
そして、採集したデータを別の時代と比較することで、歴史的な現代というものを明らかにするのである。
本書を通して初めて「考現学」なるものをよく知ることとなったが、概要をつかまえるには大変タメになった。
なかなか時代を感じさせる、興味深い学問領域であった!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
批評・研究書
- 感想投稿日 : 2012年7月28日
- 読了日 : 2012年7月28日
- 本棚登録日 : 2012年7月23日
みんなの感想をみる