あんでらすの鐘: 高瀬川女船歌

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年1月1日発売)
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本棚登録 : 19
感想 : 3

人気女性 時代小説家の一人 澤田ふじ子氏の描く京都の背景が好きである。
京都の高瀬川周辺の土地感覚が、関西に居るためによく理解できる。
そして澤田ふじ子氏が、丁寧に、その時代の旅籠に関しての知識や、お弁当一つにしても、網代編扇形や、茶弁当の物がどのようなものであるか迄、詳しく説明しながら、物語を語っていく。
京都弁も、違和感なくさらりと、柔らかい口調が、文字の上でも、現れている。
印伝の皮の財布など、今の若い人には馴染みがないであろうな~と、思いながら、母からの桐のタンスの中にあった印伝を思い出したり、眉目秀麗などという言葉も、今では死語であろうと、思いながら読み進んだ。
6話からなる小説だが、どれもが、色々な資料に基づき描かれていることに、読むたびに、知らないことを教えてもらっていると感じる本の1冊である。

まだまだ、高瀬川女船歌シリーズ続いてもらいたいものだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年3月8日
読了日 : 2017年3月8日
本棚登録日 : 2017年3月8日

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