日本の仏様 解剖図鑑

著者 :
  • エクスナレッジ (2020年2月2日発売)
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本棚登録 : 279
感想 : 13

【概略】
 偶像否定のキリスト教やイスラム教と異なり、仏教はその世界の仏様達を像の形で残してきた。仏教の誕生から発展、各宗派への展開、他宗教の神様を習合した流れも併せて、本書では各尊格の仏像を楽しむことができる。

2023年01月28日 読了
【書評】
 以前にも仏像に関する本を手に取ってみたのだけど、今回はその仏像の背景や文脈についても触れてくれていたこともあり、やはり手に取ってみた。
 実際に本屋さんで出会って、自身で手に取ってみて、買うという決断をして、お金を払って(しつこい)読み終えた自分が言うのもおかしな話なのだけど、ある一定の年齢層より上の世代にとっては、この本には最大の欠点がある。それは、若干のクリーム色の紙面に薄いオレンジ色での説明が、ほぼ読めないという悲惨な現実。幸いにして手帳には常にスマホサイズのカード「読書レンズ」なるものをもっていて、それを通して読むには支障ない。しかし読書レンズがない世界は、もうクリーム色の漆黒。本書がどの世代をターゲットにしているかわからないけれども、もし40代後半より上を狙っていたのなら、3刷の時に改善するといいかも。明確でない答えを探すのが人生だとするならば、ある意味、このフォントとカラーの選択は正解なのかもだけど。
 バチが当たるかもしれないけれど、物事って解釈次第でどんな流れでもできちゃうのだなぁとも思ったりする。宇宙の根源ブラフマーが梵天として取り入れられるとか、インドラが帝釈天とか、不勉強で当時の文脈がわからないけれど、なんというかまぁ、自由だよね。その解釈をした当人が存命の間は、その解釈に対し賛成ばかりじゃなかっただろうなぁと想像したり。そりゃあ新興宗教も、批判を受けるよね。
 信仰心という感覚よりも、自分にとっては各仏様が持つ文脈に興味をそそられる。神様にしても仏様にしても、文脈の後に起こる成立(誕生というか、「成る」というか)のフェーズ以降は、もう神様仏様当人のものじゃなくて、それを頼る人達の想いの集合体だと思うし、そのフェーズからが信仰心とか宗教といったものになると思っている。違うのだよね、自分にとっては。
 これもまたバチが当たるかもだけど、フィギュアを集まることに似てるね。好きとか頼りたいとか、崇めたいとか、手に取った側の思念の違いはあれど、その思念の受け皿だからね。仏教界からはその思慮の浅さを断罪され、フィビュア界からはその不純さを罵倒されそうな気がする。
 あ、本書の感想とは大きくかけ離れてしまったなぁ。
 ちなみに、自分は、たとえばスピーチのネタとか英語落語のネタとか、企画のアイデアだしなどで行き詰まりを見せた時は、かならず「水」に頼る。お風呂に入ったりプールで泳いだり、散歩で川の近くを歩いたり。ひどい時には一日で3回ぐらいお風呂に入る時もある。水とは縁が深いのかなと思ったりする。
 芸事をやっていて、水に関連する仏様といえば、なんと弁財天だそうな。弁財天も、インドでは川が神格化された女神サラスヴァティーとして扱われていたそうな。弁舌の良さというのも一つの特徴らしい。なんとも喜餅と縁深いじゃあるまいか。
 ・・・と、こういうところからどんどんと信仰の世界に足を踏み込んでいくのかもしれないね。周囲にあまり心配されない程度に、弁財天の仏像でも購入してみようかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教
感想投稿日 : 2023年1月28日
読了日 : 2023年1月28日
本棚登録日 : 2023年1月28日

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