やはりこの人は凄い。
ヤマト運輸の小倉さんが、事業の歴史と経営理念について書いた本ですね。
誰もが、手間ばかりで儲かるはずがないと思っていた個人宅への宅配事業に踏み込んだ理由や、どうやって軌道に乗せたのかという話を順を追って説明してくれます。
一般的には、宅配なんて荷物を集めて、トラックで運んで、相手に届けるだけの単純な仕事と思ってしまいますが、それがどれだけの工夫と苦労と決断の上で出来上がったサービスかということがわかります。
サービスのアイデアも流石ですが、
何よりもこの人の凄い所は、何を優先しないかを決められることですね。
サービス第一、利益第二なんて、なかなか言えることではありません。
過疎地に集配所を作るとコストが掛かるがいいか?と聞かれて、コストを計算する社員の給料のほうが無駄、という所が並みの経営者じゃないよな~。
本の構成で残念なところが、章のはじめに要約を書いておいて、その後に詳細を語るので「あれっ、これ読んだような???」と思ってしまうことです。
それと、時系列が前後したり、話が重複する読みにくさが少しあります。
ちなみに、私は小説版の後に読んだので新鮮な感動はないですが、やはり本人の書いたものは苦労話にリアリティがあっていいと思います。
最近は、クール宅急便などで不徹底問題がありましたが、この2代目の理念を踏襲して、いいサービスを続けてもらいたいものです。
amazonが便利なのも、宅配業者があってこそなので、
今の時代だからこそ読んでおく本ではないでしょうか。
かなり、オススメです。
- 感想投稿日 : 2015年10月29日
- 読了日 : 2015年10月30日
- 本棚登録日 : 2015年10月26日
みんなの感想をみる