あやうく一生懸命生きるところだった

  • ダイヤモンド社 (2020年1月16日発売)
3.60
  • (278)
  • (438)
  • (455)
  • (127)
  • (36)
本棚登録 : 8633
感想 : 580
3

【感想】
「あ、今オレ一生懸命生きすぎちゃってるな」と思って読んだ1冊。笑
一生懸命生きている自分に嫌気がさし、その生き方を否定する男のエッセイのような内容。
一生懸命生きるのを辞める事に全フリしたこの男の物語は、読んでいて滑稽でもあったが結構ためにもなった。
ただ、この本にハマったら自分も一生懸命生きなくなっちゃうから、気を付けなくちゃ。笑

確かに、「何か分からないレース」に参加して、遮二無二生きている今日この頃だなーと自分でも思っている。
何のために頑張っているのか分からなくなることもたまにあるし、「こんなにやんなくてもイイっしょ」とサジを投げがちな自分もそこにはいる。
だけど、当たり前だけど、サジを投げちゃいけないと思う。
こう言うと元も子もないかもしれないが、ドロップアウトした先の人生のほうが、自分からすればよっぽど退屈で味気がないモノになると分かっているからだ。
うん、この本の内容と自分の考えで、根本的に違うのがココだな。
嫌気がさしたからって、ドロップアウトしてしまう必要なんてない。適当に空気抜きをすればいいだけだ。
結局は、"何も考えずにがむしゃらに一生懸命に他人に言われたことをやる"事が問題なのでは?

まぁ、この本が流行って、このようなマインドの人間が増えてくれたらイイと思う。
競争する人が脱落してくれるのは願ったり叶ったりだ。

筆者のハ・ワンさんは他にもエッセイを執筆されているみたい。
ドロップアウトした人間が、具体的にどのようにして生計を立てているのか、そのあたりの生々しい話も是非興味があるから書いてほしいなぁ。



【抜粋】
1.これは何のレース?
何のために頑張ってるんだっけ?
これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう。
レースを棄権したようなそんな気分だ。今はレースに参加していないから、当然、勝ちも負けもない。

ところで気になるのは、これは何のレースだったのか、全く見当がつかないことだ。
僕は正体不明のこのレースで、好成績を叩き出そうと必死に足を動かし、しゃかりきになっていたようだ。


2.見返りはいつだって気まぐれ
憤りつつも“認める”ことだ。
努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。
この現実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろう。
自分が「こんなにも」努力したのだから、必ず「これくらい」の見返りがあるべきだと言う思考こそが苦悩の始まりだ。

3.人生にも「ストップロス(損切り)」が必要
あきらめとは卑屈な失敗ではない。懸命な人生を生きる上で、あきらめる技術も必要だ。
あきらめなければ大損害を被る可能性もある。
失敗を認める勇気。努力と時間が実を結ばなかったら、潔く吹っ切る勇気。失敗しても、新たなことにチャレンジする勇気。

我慢して闇雲に努力することだけが能力ではない。

4.普通で、つまらない毎日を幸せに過ごす
僕の人生は概してつまらない。だが、つまらなく見える日常を愛そう。

人生の大半はつまらない。
だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?





【引用】
あやうく一生懸命生きるところだった


p4
今日から、必死に生きないと決めた
2ヶ月後に40歳になる。まさか自分がそんな年齢になるとは。もう40歳だなんて。いつの間に、そんなに時が流れてしまったのだろう。
まだ何も成し遂げていないのに。


p7
この生き方で正しいのか?
間違わずに、前に進めているか?

40歳はターニングポイントだ。そんな理由から決心した。
今日から必死に生きないようにしようと。


p18
・何のために頑張ってるんだっけ?
これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう。
レースを棄権したようなそんな気分だ。今はレースに参加していないから、当然、勝ちも負けもない。

ところで気になるのは、これは何のレースだったのか、全く見当がつかないことだ。
僕は正体不明のこのレースで、好成績を叩き出そうと必死に足を動かし、しゃかりきになっていたようだ。


p33
・見返りはいつだって気まぐれだ
憤りつつも“認める”ことだ。
努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。
この現実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろう。

自分が「こんなにも」努力したのだから、必ず「これくらい」の見返りがあるべきだと言う思考こそが苦悩の始まりだ。


p39
・やる気はすり減る
自分が何かに熱中しているときは、その気持ちは自分のためのものなのか、それとも他人のためなのかをよく考えてみる必要がある。
知る限りでは、やる気とはそれほど頻繁に生まれるものでも、持続可能なものでもない。
やる気がすり減る。むやみに使ってはいけない。
自分のやる気は自分がコントロールしよう。


p65
・人生にも「ストップロス(損切り)」が必要
あきらめとは卑屈な失敗ではない。
懸命な人生を生きる上で、あきらめる技術も必要だ。
あきらめなければ大損害を被る可能性もある。

失敗を認める勇気。
努力と時間が実を結ばなかったら、潔く吹っ切る勇気。
失敗しても、新たなことにチャレンジする勇気。

我慢して闇雲に努力することだけが能力ではない。


p72
すべてが自分の選択に委ねられていると考えるのは実に傲慢だ。
僕らは人生を望み通りに進められると信じているが、たった1度の波にさらわれる、か弱い存在なのだ。
人生には自分の力ではどうにもできない部分がかなり多い。


p227
・普通で、つまらない毎日を幸せに過ごす
僕の人生は概してつまらない。だが、つまらなく見える日常を愛そう。

人生の大半はつまらない。
だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?


p241
・手っ取り早く自分を不幸にする方法
それは「他人との比較」をお勧めする。これはかなりの確率で不幸になれる方法だ。

嫉妬なんて、どんぐりの背比べに過ぎない。
激しい嫉妬覚えるのは、自分と同等または格下に見ている相手だ。
美加レベルの人間同士のどんぐりの背比べは不毛である。する価値がない。


p250
・挫折感の正体は、高度に計算されたマーケティング戦略
多くの人がブランド品への欲望を抱く理由は、簡単に購入できないからだ。そんな挫折感がブランド品の価値を高める。
ようやくそれを買えた人は、挫折感から抜け出した喜びを享受する。と同時に、まだ入手できていない人たちにまた別の挫折感を抱かせ、ほんの一瞬の優越感を味わう。
しかし、そんな喜びもすぐに消えてしまう。挫折感を休みなく降り注ぐからだ。

富の真の目的は「誇示」である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2022年8月30日
読了日 : 2022年8月30日
本棚登録日 : 2022年8月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする