外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか

制作 : ISSコンサルティング 
  • ダイヤモンド社 (2006年9月8日発売)
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【感想】
大好きな「外資系トップ」シリーズの作品。
読んでいて個人的に思うことは、各トップが高学歴である事と、若干謙遜して記載してあること、そしてメンタル面重視の内容が多いこと。
というより、まずこの人たちのスペックは間違いなく高すぎるだろうから、参考にならないかもしれない・・・
また、悪く言えば「こういう人材(社畜)がウチには欲しいですよ」って言っている風にも見えた。
要するに、今後自身で成功を成し遂げていこうと思っているなら、この人たちの台詞をすべて鵜呑みにしちゃったらマズイのだろうなという事かな。

とは言え、参考になる文章が多かったのも事実。

・精神論(情熱、自信やプライド、努力、全力、楽しむ)
・リスクを恐れない
・製品知識や業界知識を高める
・想像力や予測力
・SWOT分析

上記の内容などは、ビジネスパーソンとして無くてはならないモノだと同調できる。
やっぱり、メンタルが相当打たれ強くて、勇猛果敢でチャレンジ精神が豊かで、様々な知識が豊富で、しっかりとロジカルにモノを考えられる「人財」。
これが全てできればどこにいっても成功できるし、引く手も数多だろう。

市場に出ている書籍なので、若干よそ向きの内容になっているのは仕方ないが、良い教えになる良書でした。


【内容まとめ】
1.会議では必ず発言しなさい。できれば一番最初に。

2.個人と会社の関係は、五分五分の関係であるべき。
個人は会社に価値をもたらす仕事をし、会社はその対価として給料を払う。
採用面接でも、「採用して下さい」という態度はおかしい。
逆に、自分は会社にこういう価値をもたらしてあげるというくらいの気概がある人がいい。
会社の駒になるのではなく、会社を利用して自分を高めていきたい人。私はそういう人を評価します。

3.リスクと言えば、家族を食わせていけるかどうか。
でも、それくらいは稼げるだろうと、何とかなる自信はありました。
高収入を得るとかじゃなくて、家族を路頭に迷わすことはないだろう、そのくらいの力はあると。
逆に、これ以外のリスクって、他にないでしょ。

4.若い人に言っておきたいのは、次に何が起こるかを想像して仕事をすることですね。
これができる部下は信頼できる。
今はこれをやっている。次はこういう事が起こるから、こんな準備をしている。
僕が知りたいのは、次がどうなるのか、なんですよ。

5.情熱は成功の第一条件です。
もう一つは、与えられた運命の中でベストを尽くすという事です。
常に努力しておく。人脈を作る。そして努力したら、あとは運命だと考える。
人事を尽くして天命を待つ。一生懸命やりきれば、必ず何かが起きます。

6.私が面接で見るのは、売り文句じゃなく説明できることです。
私みたいに転職が多い人でも、一社だけに勤めてきた人も、どういう考え方でそのキャリアを歩んできたかについて、ちゃんと答えられなかったら危険サインです。

あとは自信ですね。自信がない人は駄目です。
自信がある人は、結果が出せない時に人のせいにせず、悔しそうな顔をするんです。
静かな自信、努力から醸し出される自信です。

7.SWOT分析
「強み」「弱み」「機会」「脅威」
自分はどんな長所を持ち、どんな弱点を持っていて、この二つから見た自分の活躍できる機会はどこなのか、気をつけないといけないリスクは何なのか?
自分の経験からの分析と、自分という人間からの分析の、2種類のSWOT分析を。

8.ほんの一部の天才を除けば、人間の能力の差なんて高が知れています。
要は全力を出し切れるかどうかなんです。

9.成功するために一番重要なのは、やはり「朝起きたら早く楽しい仕事に行きたい」と思える仕事に就くこと。
どんな仕事をする人でも、その仕事に関しては会社の誰よりも自分が一番知識を持っている、自分が一番よく知っているというくらいの知識と経験を持つこと。
カスタマーを知り、競合を知る。
会社の誰よりもその両者を知っているとなれば、自分の意見に多くの人が耳を傾けてくれるようになります。




【引用】
マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング
柴田励司

入社前日の3/31、急に会社都合で内定取消しになった。
思い切って、以前内定を断った会社に電話を入れて、必死に頭を下げて入社した。

人生には色んなハプニングがある。
でも、悪いハプニングでも、それが後々思わぬプラスを生んだりする。
だから、悪いことや嫌なことが起きてもクヨクヨしていては仕方がない!
大事なことは、次の一歩を踏み出すこと!


p37
会議では必ず発言しなさい。できれば一番最初に。
二番目、三番目に発言した人の顔は忘れても、最初に発言した人の顔はみんな覚えているものなのです。


p43
個人と会社の関係は、五分五分の関係であるべき。
個人は会社に価値をもたらす仕事をし、会社はその対価として給料を払う。
採用面接でも、「採用して下さい」という態度はおかしい。
逆に、自分は会社にこういう価値をもたらしてあげるというくらいの気概がある人がいい。

会社の駒になるのではなく、会社を利用して自分を高めていきたい人。私はそういう人を評価します。


日本オラクル
新宅正明
10回とも目標達成した人が出世したかというと、そんなことはなかった。
どの企業と、人を評価する時は数字だけではないんです。
何で評価するのかといえば、人間としてのポテンシャル。お客様との信頼関係。会社へのロイヤルティ。自立心。


p61
IBM→オラクルへの転職について。
リスクと言えば、家族を食わせていけるかどうか。でも、それくらいは稼げるだろうと、何とかなる自信はありました。
高収入を得るとかじゃなくて、家族を路頭に迷わすことはないだろう、そのくらいの力はあると。
逆に、これ以外のリスクって、他にないでしょ。


p64
若い人に言っておきたいのは、次に何が起こるかを想像して仕事をすることですね。
これができる部下は信頼できる。
今はこれをやっている。次はこういう事が起こるから、こんな準備をしている。
僕が知りたいのは、次がどうなるのか、なんですよ。

指示待ち、指示をしないと動かないというのは大変なんです。
前に進もうという意思があって、それをケアする。


ヤンセン ファーマ
関口康
「自分の技が評価される。そういう人生にしないと後悔すると思ったんです。」

p70
真剣勝負のコミュニケーションが重要です。
ケンカをしない仲良し集団はダメです。現状維持で満足してしまいますから。
冷たい厳しさではなくて、温かい厳しさというものがある。中途半端に妥協すると、みんな幸せになれないんです。


マンキンゼー・アンド・カンパニー
平野正雄
「エキサイティングでした。次から次へと来る仕事が、面白くてしょうがなかった。」

p92
マッキンゼーには予算や利益目標は存在しません。
最終的には利益を頂くビジネスには違いありませんが、我々はビジネスとは呼ばない。「プロフェッション」と呼びます。
もし経済的な成功があるとすれば、それはアウトプット、つまり結果であって、それを目的とはしない。
むしろインプットに徹底的にこだわる。
インプットの質が高まれば、結果としてアウトプットが高まるという考え方です。


ルイヴィトン ジャパン
藤井清孝
p152
情熱は成功の第一条件です。
もう一つは、与えられた運命の中でベストを尽くすという事です。
常に努力しておく。人脈を作る。そして努力したら、あとは運命だと考える。
人事を尽くして天命を待つ。一生懸命やりきれば、必ず何かが起きます。


p152
私が面接で見るのは、売り文句じゃなく説明できることです。
私みたいに転職が多い人でも、一社だけに勤めてきた人も、どういう考え方でそのキャリアを歩んできたかについて、ちゃんと答えられなかったら危険サインです。

あとは自信ですね。自信がない人は駄目です。
自信がある人は、結果が出せない時に人のせいにせず、悔しそうな顔をするんです。
静かな自信、努力から醸し出される自信です。


p193
パリバ 安田雄典
リーダーとは「無私と夢」
無私で共通の目的や夢、会社のためとかチームのためとか、そういうものでなければみんなはついてこない。
日本人が尊敬されるときというのは、日本人らしいときなんです。


p200~
日本エマソン 山中信義
仕事というものは、基本的に自分の好きなこと、得意なことをするのがいい。

SWOT分析
「強み」「弱み」「機会」「脅威」
自分はどんな長所を持ち、どんな弱点を持っていて、この二つから見た自分の活躍できる機会はどこなのか、気をつけないといけないリスクは何なのか?
自分の経験からの分析と、自分という人間からの分析の、2種類のSWOT分析を。


p209
「ほんの一部の天才を除けば、人間の能力の差なんて高が知れています。要は全力を出し切れるかどうかなんです。」


p212
お前の仕事は幹を作り、太くすることだ。
何故これが狙い所なのか、何故これで勝てるのか、なぜこれが一番いいのか、そこだけを徹底的に掘り下げろ。

幹にこだわるには、自分で考え抜き、色々勉強して、データを分析し、狙いを定めて「ここだ」と言えないといけない。


p222~
BP社 脇坂英治
MBAで何より貴重だったのは、日本人として西洋の連中とある意味では対等にやっていける自信をつけたことです。
もう一つは、日本人の友人を作れたこと。
こういうところで出会う友人は本当にかけがえのない存在なんです。


p242~
P&G ラヴィ・チャタベディ
成功するために一番重要なのは、やはり「朝起きたら早く楽しい仕事に行きたい」と思える仕事に就くこと。
どんな仕事をする人でも、その仕事に関しては会社の誰よりも自分が一番知識を持っている、自分が一番よく知っているというくらいの知識と経験を持つこと。
カスタマーを知り、競合を知る。
会社の誰よりもその両者を知っているとなれば、自分の意見に多くの人が耳を傾けてくれるようになります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 名作(再読の価値がある本)
感想投稿日 : 2018年11月21日
読了日 : 2018年11月21日
本棚登録日 : 2018年11月21日

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