アイデアのちから

  • 日経BP (2008年11月13日発売)
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フォトリーディング&高速大量回転。

この手の研究家が書いたベストセラーは、研究結果を面白く読ませるためのテクニックが用いられているので、読みやすい分読んでいて疲れた。例示が多すぎ。ゆっくり読むのには楽しめて感動的なのだろうが、速読には向かないと思った。しかしながら、人に印象を植え付けるテクニックについてはよくわかった。例示も(多すぎだが)面白かった。

単純明快に・意外性を保ち・具体的で・信じる要素(細部を調べてあったり権威づけがあったり)・感情に訴えれば、記憶に残る。それを物語的に話す。

下記に付箋を貼った個所の要約を載せる:

34:トルストイ「幸福な家庭は似通っているが、不幸な家庭はそれぞれ違う不幸を抱えている」。
同じように失敗した(忘れられる)広告には色々あるが、覚えられる広告には一定の要素がある。

43-44:5つの要素で確認するることは、他の要素を切り捨てること。

48-49:記者が戦地から電報で社に伝えるように、最も伝えたい重要事項を先に伝える。

66-67:具体的にシンプルに。

100:意外性(驚き)は、後で考え納得できるものに限る。

113:優れた文はすべて謎かけではじまっている。読者に疑問を与える。

119:興味の隙間。知らないことを知ると知りたくなる。埋め合わせたくなる。

139:生活は具体的だが言葉は抽象的。世界は寓話を求めている。具体的な話で聞く者は実感する。

145:五感で感じるものが具体的なもの。

148:具体的な「もの」は記憶しやすい。自転車、アボガドなど。

160:具体的であることは目標を分かりやすくする。行動も起こせる。

163-165:「白いもの何でも書け」というのと、「冷蔵庫にある白いものを書け」というのでは後者のほうがやりやすいのが脳の特性。限定され指示を具体的に受けると、脳は探しやすくなり行動(探す)を起こす。

190:詳細な記述(地域の描写など)は、読者の信頼性をたちまち高める。具体的に細かく書くと信じやすい。

226-227:個人の飢餓の苦しみと、国家の飢餓状態の描写では、個人についての話のほうが訴求力がある(寄附が2倍以上)。

283:物語は娯楽である。

306-311:挑戦の筋書き。ダビデとゴリアテ。
絆の筋書き。善きサマリア人。
創造性の筋書き。ニュートンが万有引力について思い出したのは、リンゴが頭に落ちてきたとき。

319:物語はほぼ例外なく具体的。感情に訴える。そして以外。知の呪縛(相手が知っていると思ってしまう知者の盲点)を軽々と打ち破る。


338:これらを意識的に実行する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017読了
感想投稿日 : 2017年1月8日
読了日 : 2017年1月8日
本棚登録日 : 2016年10月28日

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