松本清張への召集令状 (文春新書 624)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年3月17日発売)
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感想 : 9
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清張の兵隊へのとられ方は、大岡昇平のそれとよく似ている。30歳代、妻子持ち。恣意的であることをうかがわせる人選。生きて還ることが期待できず、遺された家族の苦痛や苦労がまじまじと想起される状況。絶望の大きさは計り知れない。
ひとの欲にまみれた描写の多い社会派作品を今に読むとき、清張の軍隊経験やサラリーマン体験がそれら作品のバックグランドにチラ見えする。清張をとりまく世界にとって、個々人において悪意は確かに存在し、世間において陰謀は確かに存在している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年3月1日
読了日 : 2019年2月28日
本棚登録日 : 2019年2月28日

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