超限戦 21世紀の「新しい戦争」 (角川新書)

  • KADOKAWA (2020年1月10日発売)
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これからの戦争の本質を説いた本と言えるかもしれない.

戦争とは「武力的手段で意思を強制する」から「あらゆる手段で自己の利益を受け入れさせる」になった.

「国が,兵隊と武器を揃え,作戦を立案し,部隊を編成し,境界を跨いでくる敵やイデオロギーが異なる敵を武力で追い詰める」という戦争のイメージはその1パターンでしかない.

本の構成としては20世紀末の湾岸戦争を軸とした軍事評論というイメージ.
細々とした話が多く,この手の話題に疎い自分には読みづらいところもあるが主張は軍事オタクではなくても知っておいて良さそうだ.
正直難しくて相当読み飛ばしてしまった.またリベンジしたい ということにしておく


具体例として上がっているのはハッカーのネットテロ,大資本の金融テロ,新興宗教の地下鉄テロ.

2021年現在も貿易戦争と経済制裁,サイバー攻撃リスクの増大など見ているとまさにここで予言されていたことが起きている.

一人の人間と一台のコンピュータがあれば大企業の生活インフラを止めらられる時代,戦争はすぐそこで日常的に起きていると言える.

“故に兵に常勢無く、水に常形無し。よく敵によりて変化し、しかして価値を取る者、之を神という”
→変化できるものが勝てる(生き残る)という孫氏の言葉.
これができるようになるにはどうしたらいいか:
・ゼロベース(空っぽの籠)
・臨機応変の籠の中身を調整できる手数の多さ,スピード

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1998年には執筆されていたの

戦術レベルの行動で相手の戦略を揺るがす
超限戦:非戦闘員・非通常兵器で罪のない市民を巻き込んで軍事定期教会や領域を関係なく戦争をする=非軍事の戦争行動

ネットテロ,金融テロ,地下鉄テロ
軍事的暴力の減少,経済的,政治的,技術的暴力の増大

武力的手段で意思を強制する→あらゆる手段で自己の利益を受け入れさせる

これまでの兵器開発:殺傷力の向上ー>核兵器の登場で頭打ちー>配慮された殺傷と破壊=コントロール

意思を強制させるパワーとしての殺傷が,「殺傷しなくても良くね?」となった.それを可能にする技術,概念が生まれた

”戦場では死亡者より,負傷者の方がケアに手間がかかる”

”「誰が我々の敵なのか,誰が我々の友なのか」曖昧になってしまった”
メタルギアを思い出す
”領土資源,宗教信仰,部族の恨み,イデオロギーから市場シェア,権力の分配,貿易制裁,金融不安に至るまで,何もかも戦争を起こす理由になる”

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競争と超限戦の違いはなんなんだろう.後者が「軍事的/非軍事的手段で相手に自己の利益を強いる」とすると目的は競争と同じになる

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感想投稿日 : 2021年5月9日
本棚登録日 : 2021年5月9日

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