禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン

  • 東洋経済新報社 (2008年6月6日発売)
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天才、ブノワマンデルブロの本。



金融業界って正規分布という砂上の楼閣、「月並みの国」の統計をベースに頭の良い人たちによる攻略法の研究が勧められた。
しかし、この正規分布という土台が現実に即していないという悲しい事実を考えると、金融業界のこの取り組みって結局お遊びじゃん...となるな

地動説を示す証拠がバンバン出てるのに、天動説を信奉する感じ。

現代は知らないけどコンピュータを一番使うのは金融業界らしい。どこに投資したら儲かるかというシミュレーションをやりまくるから。

マンデルブロの登場、フラクタルという概念の誕生が金融業界に与えた衝撃は計り知れない。

統計における尖度:料理における辛さ。正規分布からどれだけ離れてるか(正規分布は3 )


フラクタル→単純な規則の再起的な繰り返しで自然物のような複雑な造形が作れる。雪の結晶、海岸線のギザギザ、鳥の羽、銀河の分布。
・複雑性は単純なもの繰り返しで発生する
・初期値の違いが最終結界大きな影響を与える→未来は予測できない。

フラクタルの次元→N回目とN+1回目の規則の繰り返しにより発生する面積や体積の増加割合の比率。4

・過去の価格は未来にも影響する。独立ではない。
・対数グラフをとると直線→冪乗則

バブル→真の価格との乖離、時間の経過とともに期待が膨らむ。そしてそれは突然弾ける。いつ弾けるかは全くわからない

・タイミングはとても重要。巨額の利益と損失は短期間に集中して起こる。
・市場は正規分布で測られるリスクよりもハイリスク
・価格は不連続にジャンプする
・市場での時間は人によって進み方が違う(取引量とボラ )
・価格の予想は無理だがボラの予想は可能

1980年、S&Pインデックスは40%の利益が10日間に集中

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感想投稿日 : 2020年8月26日
本棚登録日 : 2020年8月25日

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