増補改訂版 「アニメ評論家」宣言 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房 (2022年7月11日発売)
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3

557p! すごいボリューム!
単行本は2003年扶桑社。
藤津亮太さんは「アニメと戦争」を読んだが、むしろアトロクでなじみ深い人。
20年来の書き手なのだなあ。
富野、押井、庵野あたりの作品論がよかった。
また「WXIII PATLABOR THE MOVIE 3」論は、読めてよかった。
そして最後に位置する「アニメ評論は難しい」で示された、公平さ・倫理観の高さ。これは信頼できる。



目次
◆文庫版のためのまえがき
■Ⅰ 宮崎駿 風とともに歩む
・パラシュートの白い寂しさ 『ルパン三世 カリオストロの城』★ 
・二度目のラストシーン 『ルパン三世』
・途切れることのない気持ち ―― 宮崎アニメの時間★
・それは、涙のように 『千と千尋の神隠し』
■Ⅱ 高畑勲 1968年の革命
・アニメーションで映画を作るということ 『太陽の王子ホルスの大冒険』★
・現実と非現実を結ぶもの 『パンダコパンダ』『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』
・大阪・アクション・生活アニメ 『じゃりン子チエ』
・田園交響曲を響かせる 『セロ弾きのゴーシュ』
■Ⅲ 富野由悠季 僕のコロニーは戦場だった
・アムロとシャア ―― 名付けることをめぐる九年の夢想 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』★
・生き延びることができたとして 『機動戦士Zガンダム』『機動戦士Vガンダム』★
・冒頭の五分間 『機動戦士ガンダムF91』
・俺、十七歳になってしまった 『ブレンパワード』
・∀の還るところ 『∀ガンダム』
・『∀』が埋葬する 『∀ガンダム』
・キングゲイナー・オーバー!を歌おう 『OVERMANキングゲイナー』
■Ⅳ 出﨑統 時間を編む、思いを織る
・操作される時間★
・ゴルゴ13を演出する 『ゴルゴ13』
・月子という少女 『ブラック・ジャック』(OVA版)
■Ⅴ 押井守 His Master’s Eyes
・スクリーンプロセスの彼方へ 『紅い眼鏡』『ケルベロス―地獄の番犬』『トーキング・ヘッド』★
・銃弾と視線 『アヴァロン』★
・映画の夢、夢の映画 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』★
・卵の中の空虚 『天使のたまご』★
・世界と向き合う三つの手段 ―― 押井守のアニメーション 『GHOST IN THE SHELL/ 攻殻機動隊』★
■Ⅵ 庵野秀明 アニメの「芸」と「術」
・集中と拡散 『新世紀エヴァンゲリオン』★
・人形の生 『新世紀エヴァンゲリオン』★
・回り続けるカメラ 『ラブ&ポップ』
■Ⅶ 今敏 理知的な迷宮
・未麻の部屋から見えるもの 『パーフェクトブルー』から『パプリカ』へ★
・立花源也という「観客」 『千年女優』
・「赤ちゃん」と「クリスマス」 『東京ゴッドファーザーズ』
・僕は元旦に天使を見る 『東京ゴッドファーザーズ』
■Ⅷ アニメ再襲撃
・アニメーション監督はいつ〝作家〞になったのか
・「冒険」と「ロマン」の時代 『宇宙戦艦ヤマト』
・歴史と記憶と 『オネアミスの翼 王立宇宙軍』
・「接吻と銃撃」(キス・キス・バン・バン)の迷信 『人狼』
・反復される理想郷/おしまいの「呪文」 『ラブひな』
・二〇四六年夏へのモノローグ 『ほしのこえ』
・映画を観るということ 『WXIII PATLABOR THE MOVIE 3』★
・絵コンテの完成/ハードボイルドのように 『WXIII PATLABOR THE MOVIE 3』
・過去と未来の「幸福論」 『マインド・ゲーム』
■Ⅸ アニメを・語る・言葉
・言葉とアニメーションと二人の監督
・アニメ評論は難しい★
◆あとがき
◆『「アニメ評論家」宣言』、それから
◆初出一覧と雑感

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画本
感想投稿日 : 2022年8月9日
読了日 : 2022年8月9日
本棚登録日 : 2022年7月30日

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