フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2017年2月16日発売)
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感想 : 63
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人が何かに、はまる理由はたくさんあります。
その中でも強烈なのは、恋愛ではないでしょうか。

私も海外にいますが、海外にずっと住んでいる人は、大概、その国の文化に興味があったり、言葉に興味があったり、
食に興味があったりする人は、かなり少数です。もっと具体的にいうと、多くは女性関係です(男性の場合です)。
なので、やはり生々しい理由があります。

著者は、フィリピン旅行で、その国の文化にあまり(日本とのギャップ)、大学での研究対象に選び、そして女性。
かなり「はまる」王道を行っていると思います。

フィリピンパブの魅力としては料金設定も他と比べて安く、またホステスのサービスも型にはまっていなく、
単純に面白いのではないでしょうか。その魅力にとりつかれて、ホステスと交際する、著者もその一人です。

本文で書いてある通り、ホステスとの交際は危険を伴います。また、その交際を応援してくれる人は少ない。
その孤独に耐え、また、家族並びに友人を、どう説得しているかも、この本の魅力です。

日本社会には、様々な偏見がありますが、その偏見の中の一つに、アジア人蔑視があります。なので、日本人男性と東南アジア女性が、結婚し、子供が生まれ、就学すると、また様々な問題にぶち当たります。いじめであったり、また、母が日本社会に溶け込めないことによる問題当、あげたらキリがないでしょう。

結婚、離婚統計では、外国人女性との離婚は、日本人女性との離婚の、ざっくり倍です。理由は、さまざまですが、経済問題が一位でした。著者も、フィリピンに行き、お金を現地のご両親と親族から、むしり取られていますが、(この表現がいいかわかりませんが)普通の日本男性なら、いつかは、耐えられないでしょう。

国際結婚は、やはり相当な覚悟とリスクが伴います。特に経済的問題です。私の周囲でも、ほとんどが失敗しています(離婚か崩壊状態)。
家族観の違いであったり、経済観の違いであったり、それがあまりに、日本と異なるからでしょう。著者もいずれは、その壁に必ずぶち当たると思います。是非、克服してほしい。そして、第2弾を書いてほしいですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年6月6日
読了日 : 2017年6月6日
本棚登録日 : 2017年6月6日

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