天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺

著者 :
  • 講談社 (2008年11月27日発売)
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感想 : 53
5

やめられない、とまらない……!

大陸から南へ突き出した半島に3つの国がありました。
北から巨山<コザン>、沙維<サイ>、江南<カンナン>といいます。
沙維の国の北部には天山と呼ばれる山があり、そこには<夢見>という不思議な力を用い、沙維の人々へ預言をして生計を立てる巫女たち12人が住んでいました。
この物語の主人公ソニンは、母の胎内にいるときにすでにその力を見出され、出生と同時に天山へ昇り、そこで巫女としての修行をしながら暮らしました。
巫女となれば、死ぬまでそこで暮らすのが常ですが、ソニンは見込み違いだったとして、12歳で家族の元へ返されることになります。
人々の住む世界で、様々な人と出会い成長していくソニンの物語は、すでに4巻へ突入です。

今回、沙維からの支援が、然るべきところへ使われているのかを確かめるため、イウォルとソニンは江南へ向かいますが、その滞在中に大きな嵐に見舞われ、復興半ばの江南は、更なる打撃を受けることとなりました。
これまでも復興支援をしていた沙維の国庫にはこれ以上の余剰はなく、江南の人々は途方に暮れます。そんな折、1年前には攻め込んできた巨山が、食料と薬などの支援を申し出てくるのでした。それは人道的な支援を隠れ蓑にし、江南に対する辛辣な陰謀を心に秘めた、イェラ王女の策略でした。

江南の、そしてひいては沙維の危機は回避できるのでしょうか。
夢見の力を徐々に失っていくソニンが見つける自分らしさとはどういったものなのでしょうか。

第5巻へと続きます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年10月27日
読了日 : 2020年10月27日
本棚登録日 : 2020年10月25日

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