資本主義と自由 (日経BPクラシックス)

  • 日経BP (2008年4月17日発売)
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自由主義な経済学者があるべき資本主義を語った本。自由に対しての主義が一貫しているため、価値観が自分と異なっていても拒否感は生まれない。
主張をシンプルにすると政府が自分達への領域を出来るだけ排除し、市場に任せるべきというもの。市民の直接利益に反する行為を強いるものへ徹底的に拒否する。アメリカの自由主義を垣間見た気がする。だが、展開される論理は前述したとおり読んでいて拒否感は感じず心地よく感じるのは、自分にとってのマイナスも自由主義のためならば選択するという考えだ。ぶれない。
ぶれない意見には、やはりパワーがあると感じた。

・自由は傷つきやすい花のようなもの
・権力の集中は自由を脅かす
・市場は抜け道を探す。利益を追う。国営はそうならないだろう
・自由社会での政府の役割は「ルールを変える手段を用意すること」だ
・政府が事業を行う事に認めても独占することに正当性はない
・通貨に関する政府の責任を全うできる環境を用意する一方で権限を制限する環境を用意しなければならない
・通貨は中号銀行に任せるには重大すぎる
・最低限の教育を義務付けることは外的効果を考えると成すべき事項
 しかし学校教育を政府が運営する正当性はない
・金を出せば口を出すのを当然と考えているらしいが、両者は切り分けれるはずである。政府の役割は最低基準を満たしていることを監督することである
・労働者は給与の均等化を歓迎し、能力給に反対する。優秀な人物は多くないからだ。政府が加担すればいつまでも続く
・教育は人的資産に対しての投資である。だがリターンを得るのが非常に難しい。
・人は人格や行動で評価されるべき。この考えに一致しない人々を軽蔑せざるを得ない。だが、逆に外面で評価する人々を市場にした場合、雇用を外面で判断する事への制限は経営側の機会損失である。自由への干渉
・肌の色のような価値基準をよろしくないと思うなら皆を説得すべき。国家の強制力に頼るべきではない
・独占は好ましくないが、政府関与は最も避けるべきだ。元に戻せない
・市場でどれが一番良いかを選ぶのは消費者であり、生産者ではない
・現状維持の罠。想像力を働かせなければ
・自由を信奉するなら過ちを犯す自由も認めなければならない
・貧困を救済するなら、それだけを目的とするべきである。農民を救うなど特定の誰かを救う事を考えてはならない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2012年7月8日
読了日 : 2012年7月7日
本棚登録日 : 2011年7月17日

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