あくたれラルフのたんじょうび

  • PHP研究所 (2010年9月7日発売)
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感想 : 16
5

『あくたれラルフ』をご存知の方は多いかと思います。その続刊です。

「あくたれラルフ」のシリーズは、日本では2冊目にあたりますが、
アメリカでは、既に18冊も出ていて、来年の2月には、19冊目にあたる
新刊も出ます。そして現在、ガントスとニコールは、その19冊目が出る
まえから、早くも20冊目に着手されているそうです。

この本を訳すことになってから、ふしぎな縁がつづきました。それは
なんと、今年に入って、ジャック・ガントスと、ニコール・ルーベルに
日本で別々に会ったことです。それもご両人とも今回が、初来日という
こと。これを縁と呼ばずして、なんと呼びましょう。

これをきっかけに、カバーそでには、ふたりからメッセージと直筆の
サインをもらい、帯の裏には、その場でニコールに描いてもらった
ラルフの絵を載せました。

訳は、もちろん先人である石井先生の訳を基調としましたが、若干、
それに習っていない部分もあります。それでもともかく、黒子に徹し、
読みやすく、わかりやすい訳文に仕上げたつもりです。

今回の作品の主だった登場人物は、ラルフとセイラだけです。1作目
のように、おとうさんもおかあさんも出てきません。それは、ガントス
の講演を聞いてわけがわかりました。彼は講演のなかで「いい絵本は、
登場人物が多くなく、せいぜい2〜3人である」と、説いていたからです。

絵のタッチは、1作目と比べると、かなりこなれた感が感じられます。
それは、この本は本国では6作目にあたる作品だからだと思います。
また、どのページにもちょこちょこと、ねずみが描かれていて、全部で
いったい何匹出てくるのか、探してもらってもおもしろいかな、と
思います。またニコール自身も絵の中に描かれていますよ。

今回、絵の中の描き文字は、オアナアキコさんにお願いしました。
合計60以上もの描き文字を根気づよくすべて描いていただきました。
ラルフの世界観にぴったりな文字になったと思います。

この本の刊行にあたり、PHP研究所の編集Sさんには、大変お世話に
なりました。仕事に対して、丁寧で実直な姿は、心打たれるものが
ありました。最後になりましたが、お礼申し上げます。


どうか応援よろしくお願いします。
熊本の方であれば、ご購入は、ぜひ、竹とんぼでお願いしまーす。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 翻訳した絵本
感想投稿日 : 2013年8月1日
読了日 : 2013年8月1日
本棚登録日 : 2013年8月1日

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