『あくたれラルフ』をご存知の方は多いかと思います。その続刊です。
「あくたれラルフ」のシリーズは、日本では2冊目にあたりますが、
アメリカでは、既に18冊も出ていて、来年の2月には、19冊目にあたる
新刊も出ます。そして現在、ガントスとニコールは、その19冊目が出る
まえから、早くも20冊目に着手されているそうです。
この本を訳すことになってから、ふしぎな縁がつづきました。それは
なんと、今年に入って、ジャック・ガントスと、ニコール・ルーベルに
日本で別々に会ったことです。それもご両人とも今回が、初来日という
こと。これを縁と呼ばずして、なんと呼びましょう。
これをきっかけに、カバーそでには、ふたりからメッセージと直筆の
サインをもらい、帯の裏には、その場でニコールに描いてもらった
ラルフの絵を載せました。
訳は、もちろん先人である石井先生の訳を基調としましたが、若干、
それに習っていない部分もあります。それでもともかく、黒子に徹し、
読みやすく、わかりやすい訳文に仕上げたつもりです。
今回の作品の主だった登場人物は、ラルフとセイラだけです。1作目
のように、おとうさんもおかあさんも出てきません。それは、ガントス
の講演を聞いてわけがわかりました。彼は講演のなかで「いい絵本は、
登場人物が多くなく、せいぜい2〜3人である」と、説いていたからです。
絵のタッチは、1作目と比べると、かなりこなれた感が感じられます。
それは、この本は本国では6作目にあたる作品だからだと思います。
また、どのページにもちょこちょこと、ねずみが描かれていて、全部で
いったい何匹出てくるのか、探してもらってもおもしろいかな、と
思います。またニコール自身も絵の中に描かれていますよ。
今回、絵の中の描き文字は、オアナアキコさんにお願いしました。
合計60以上もの描き文字を根気づよくすべて描いていただきました。
ラルフの世界観にぴったりな文字になったと思います。
この本の刊行にあたり、PHP研究所の編集Sさんには、大変お世話に
なりました。仕事に対して、丁寧で実直な姿は、心打たれるものが
ありました。最後になりましたが、お礼申し上げます。
どうか応援よろしくお願いします。
熊本の方であれば、ご購入は、ぜひ、竹とんぼでお願いしまーす。
- 感想投稿日 : 2013年8月1日
- 読了日 : 2013年8月1日
- 本棚登録日 : 2013年8月1日
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