「正義とは」が抽象的な意味ではなく、現実の国家運営、そして国際問題において問われている具体的な課題であることが改めて理解できた。難民問題、格差拡大問題など、どの立場の正義に立つのか問われるだろう。ロールズのリベラリズムが現在は民主党の政策に親和的、数年前にハーバード式授業で話題になったサンデル教授はリバタリアニズムの主張でロールズとは一線を画している。そしてコミュリタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムなどの現代正義論の6つの立場を解説する。「正義」が一様でなく、政治的な色を持たざるを得ない当たり前の現実を感じる。私自身はロールズの次の言葉が一番印象的。「生まれつき恵まれた立場におかけすることがないようれた人びとは誰であれ、運悪く力負けした人びとの状況を改善するという条件に基づいてのみ、自分たちの幸運から利得を得ることが許される。」これは愛として説いているのではなく、正義として説いている!この基にあるロックの自由論は清教徒の思想から影響を受けていたらしい。
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カテゴリ:
政治
- 感想投稿日 : 2018年10月16日
- 読了日 : 2018年10月15日
- 本棚登録日 : 2018年10月16日
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