ユダヤ人の歴史 上巻

  • 徳間書店 (1999年9月1日発売)
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感想 : 6
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輝かしい旧約聖書の時代の叙述はこんな解釈が出来るのか、というほど説得力があり、昨年話題の「小説 聖書」よりよほど小説的で面白い内容でした。アブラハムが夫婦のために墓を買う場面は4000年前の他の記録での当時の慣習と一致する、という説明は感動ですらありました。そして創世記冒頭「天地創造」の他宗教の創造説話との決定的な相異。むしろ古代のいかなる宇宙観よりもビックバン理論という今日の宇宙誕生理論に酷似している、との説明には、大きく肯きました。著者はジャーナリストですが、極めて正しく聖書を認識しているようです。そしてキリスト教との分離、なぜ迫害の対象になっていったのか、その背後にあったギリシャ人とユダヤ人の対抗関係、興味深いが、人の罪の深さを考えさせられる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史(西洋中心)
感想投稿日 : 2013年8月24日
読了日 : 1999年12月25日
本棚登録日 : 2013年8月24日

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