ユダヤ論に借りた日本人論。ユダヤが記憶の、そして2重性(アンビバレント)の民族であるということがベルグソン、デュルケム、シモーヌ・ヴェイユ、レヴィ・ストロースなどの知識人を通して語られます。日本人と似た点がありながら、過去への記憶にこだわらない、祖国喪失を経験せず、2重性を持たない日本人論は説得力がありました。一方、英国の日系映画監督カズオ・イシグロ『日の名残』に現れた日本的なものの指摘にユダヤ人的なものを見たという結末も興味深かったです。一度、見てみたいものです。
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カテゴリ:
思想・哲学
- 感想投稿日 : 2013年8月25日
- 読了日 : 2000年8月6日
- 本棚登録日 : 2013年8月25日
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