「経済史」とはこういうものか。
本書は、「徳川時代」から「明治」「大正」、そして「昭和」の「高度成長」までの「経済史のマクロヒストリーとミクロヒストリー」という500頁以上の大著であるが、それでも担当章の時代風景が見えるほど詳細ではないように思える。
それぞれの時代の「経済政策」という一面はわかるものの、「政治」との関連でその「経済政策」が何を意味するかの考察がないように思えて、全部きちんと読み込むことに困難を覚えた。
「経済政策」や「経済データ」は詳細に記載されており、事実関係はよくわかるのだが・・・。
本書は「教科書」のようだと思ったが、「おわりに」を読むと、「本書は慶應義塾大学経済学部の講義ノートをもとに加筆」とある。「教科書」そのものだったのか。
これだけの「経済史」となると、学校で講義を受けるのならばともかく、読む方は、興味とテンションを持続するだけでも大変だが、読後に時代がよくわかったようには思えなかった。
本書は、読者を限定するやや残念な本であると思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月12日
- 読了日 : 2013年5月12日
- 本棚登録日 : 2013年5月12日
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