本音の沖縄問題 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2012年5月18日発売)
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感想 : 13
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 普天間の米軍基地の辺野古移転については、マスコミでよく見るし、沖縄が戦後68年をへてもいまだに多くの問題を抱えていることは知っていたが、本書は、その詳細な現状について報告している。
 本書で読む多くの米軍基地を抱える「沖縄」の現状は凄まじい。
 「米軍基地から派生する事件・事故は1545件(1972~2010年)・・・犯罪検挙件数と交通事故数のすべてを合わせると9838件に上り月平均にすると約23件になる」。ひどいものである。
 「軍用地料」や「基地関連収入」などの経済問題も「観光」ともからみ多くの問題を抱えていることがよくわかる。
 しかし、本書は「沖縄問題」のみをあつかっているが、それのみでは「沖縄問題」のすべてを知ることはできないのではないのかとも感じた。
 米軍は海兵隊のグァム移転問題や世界的規模の戦力の再編成が進行中であるとも聞いているし、中国とアメリカの微妙な関係もある。
 もし北朝鮮情勢が変化すれば、沖縄駐留米軍にも大きな影響がでるのではないだろうか。
 本書は、沖縄問題の現状をよく知ることはできるが、その未来への考察が少ない点はちょっと不満に思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年8月16日
読了日 : 2013年8月16日
本棚登録日 : 2013年8月16日

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