自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾

著者 :
  • 勁草書房 (2010年8月12日発売)
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感想 : 11
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本書は、自民党長期政権が1955年(昭和30年)~2009年(平成21年)まで続いた理由を、その公共政策と利益誘導政策という観点から分析した書であるが、読みにくく、わかりにくく、その内容も素直に納得できないと感じた。
本書は、利益誘導政治を公共工事と受益者と言う観点から取り上げて、政党支持との関係を考察しているが、現実の政治において国民は、自らの利益のみにおいて政治家支持を決定するものではないのではないだろうか。そのピジョンや理念、人柄に共感して支持を決める人々も多いと考えなければ、あまりにも国民を愚弄するものとも考えられると思った。
その考え方にゲーム理論を適用していることは、おもしろいとも思ったが、あまりにも文体が生硬だとも感じた。まるで学術書のような文章は読みこなしにくい。
  著者は、議員経験(2002年~2003年、民主党衆議院議員)もあり、エール大学大学院への留学経験もあり、本書も英語の博士論文を翻訳したものが原文ということだが、本書は、なるほどいかにも翻訳調の文体で文章としても読みにくく、あまり評価はできないと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年1月11日
読了日 : 2011年12月30日
本棚登録日 : 2011年12月30日

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