かくかくしかじか 5 (愛蔵版コミックス)

著者 :
  • 集英社 (2015年3月25日発売)
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感想 : 126
5

最高の一冊だった。

今ちゃんが「描け」と言って、ぼろっと泣いた瞬間に、私もぼろぼろ泣いた。

空白や間のとり方が最高で、
東村アキコさんって、こういう情緒的な話もすごく上手いんだなあと思った。
西原理恵子さんと、ちょっと似ていると思う。

タイトルの「かくかくしかじか」って「描く描く」ってニュアンスもあるのかな、なんて、先生の思い出が次々に蘇ってくシーンを見て思った。


あと、葬式に来た空気の読めない男に対して東村アキコさんがガン切れするシーンがあるんだけど、この男について かなり尺を使って描くなと思った。

「口だけど何も行動できない駄目な、一般的な人」のモチーフとして出したのかもしれないし、
この空気の読めない男が本当に心底許せなくて書いたのかもしれないと思った。

昔、ダヴィンチか何かの取材で、東村アキコさんが「私は小学校の頃、親が転勤族で引っ越しばかりだった。だから、途中で入ってきて、このクラスはこんな雰囲気で、誰が一番力を持ってて、どうやってここに溶け込むか、みたいな空気を読む能力をそこで培った」と言ってた気がする。

そういう、空気の読める東村アキコさんだから、単純にこの空気の読めない男が大っ嫌いで許せなくて物凄い印象に残ってるのかもしれないと思った。

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感想投稿日 : 2016年1月29日
本棚登録日 : 2016年1月29日

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