進撃の巨人(13) (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社 (2014年4月9日発売)
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大きな代償を払いながらも、エレンを取り戻すことに成功した調査兵団。その後の調査により、突如出現した巨人たちの正体が壁内の住民であったと確認された。巨人の秘密を追うにつれ、壁内にも暗躍する人間たちが現れて──。

104期兵たちの複雑な思い。最初はエレンに懐疑的だったジャンが、その能力を生かせと説教するシーンが好き。ジャンの成長を見るのが楽しい。昔ならケンカになっていたエレンが素直に感謝を口にした時に、ジャンがビクッ!ってするのも笑っちゃう。そして、コニーの故郷・ラカゴ村の住民たちが巨人化したという事実がつらい。ただの住民が巨人化する謎以上に、母が巨人化してそのままになっているのが悲しすぎる。最初に発見した時のライナーたちの言動が追い打ちをかけてくるのもね…。

さらには、親愛なるニック司祭の悲劇!差し向けられた刺客!
「このやり方にはそれなりの正義と大義があったのかもしれない…命令でやったことだから自分が罪を負うことは無い…そういうものだから仕方ないとお考えかもしれませんが そんなことは私にとってどうでもいいことだ!!悪党共は必ず私の友人が受けた以上の苦痛をその身で生きながら体験することになるでしょう!!あぁ!!可哀相に!!」
ハンジの怒りが炸裂するこのセリフには鳥肌が立った。やると言ったらやる人だからなあ。

クリスタことヒストリア・レイスの過去。壁に潜む闇の一端を覗くことに。壁の外への手がかりが壁の内側に隠されていたかもしれないというのは皮肉すぎる。エルヴィンがナイルに語りかける言葉も重い。「その時」に何を選ぶのか。リヴァイとリーブス商会の交渉も熱いよね。王政編はこういう人間同士の心を削るかけ合いや実利や信念をめぐる生々しさがいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2023年4月2日
読了日 : 2023年4月2日
本棚登録日 : 2023年4月2日

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