チェンソーマン 12 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2022年10月4日発売)
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本棚登録 : 1953
感想 : 23
4

高校生活に馴染めず孤立する少女・三鷹アサ。彼女の日常はある“悪魔”との出会いで激変する。悪魔によって一命を取り留めたものの、その悪魔は世界の危機を狙う存在で──。青春を懸けた戦争が始まる第二部開幕!

初手パロディ!本家と違ってまったく可愛くない(笑) でも、なんとなく愛着が湧いてくるのが不思議。それがなんとも無慈悲なことに!アサを襲った正義の悪魔が囁くことがまったくもってお行儀のいい正義じゃないってところが皮肉。人間が振るう正義って、結局は個人や社会の欲望に還元されるというか。そこで命を助けたのが戦争の悪魔というのも痛烈。

「我が名は戦争の悪魔!腕慣らしに殺されてくれ!」
これは確かに「そっちが死んでよォ!!」のツッコミだけは正しい(笑) リア充爆発しろを地で行く容赦ないアクション。人を武器に変えるビジュアルは残酷で美しい。罪悪感が高いほど強い武器になるっていうルールも嫌な予感しかしない。ただ、罪悪感がなければ強い武器にできないってことは、アサは罪悪感を持ちながら戦い続ける必要があるのかな。だとすれば、何のために戦うのか。それを探す物語なのかな?

デンジはチェンソーマンであることを知られてモテたい。アサはその逆で人の目が怖い。このコントラストが関係してくるのかな。あと、ユウコの「結果は間違えても……自分の気持ちが間違ってなければ私はいいんだ!」ってアサがユウコを助けた行動とは意味が真反対な気がする。利己的か利他的かって意味で。ユウコの無邪気な正義こそ、吐き気をもよおす邪悪ではなかろうか。他者への共感なき正義はただの暴力になり得る。まだプロローグだけど、剣呑剣呑。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2022年10月7日
読了日 : 2022年10月7日
本棚登録日 : 2022年10月7日

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