Shrink~精神科医ヨワイ~ 2 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2020年2月19日発売)
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本棚登録 : 389
感想 : 21
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2巻で取り上げられるのは『大人の発達障害』と『双極性障害』。弱井先生は症状を診るだけじゃなく、その人自身の生き方を見るところ、そのまなざしが魅力的。
自分が発達障害とわかり衝撃を受けている才賀に「周りとうまくいかないと感じていることは 決して才賀さんが悪いせいではない」と言い切るところが素敵だった。本人も周りも自分を責めたり苦しんで生きてくるものだよね。ぼくもつらかった時期に「普通の人はみんなつらい中で頑張ってるんだ」と家族に言われて傷ついたことを思い出した。

でも、“普通”なんてものからは逃げてもいいんだよね。それよりも自分の特性が生かせるものを見つける方が大事なんだなと「雨が降ってきたら皆 傘をさすでしょう?嫌なものを避けることは悪いことじゃありませんよ」という言葉で教えられた。
「苦手なことの裏側には必ず得意なことがあります」も勇気づけられた一言。物事はいつも表裏一体。捉え方次第で武器にも弱点にもなる。ぼくはうつ病経験者だけど、病気はその弱点が武器になることに気づかせてくれるきっかけなんだなって感じてる。

双極性障害編も濃かった!周りの人間の支えはどんな病気でも大切だけど、特に双極性障害は本人の病識のためにもサポートが大切なんだと感じた。「躁状態の自分のことは自分ではわからないと思ってください」という一言の重さ。病気である自覚を持ち、一緒に生きていくということの難しさが伝わってくる物語だった。

「生きるとは受け入れるということです─でも時にそれが一番難しい」という言葉も胸にしみる。ぼくもうつ病と不安障害で「頑張らない戦い」の真っただ中で、将来や症状を不安に感じることは多い。でも、この物語を読んでいると、まるで自分にも語りかけてくれているようで、とても心が温かくなった。この作品と出会えて本当によかったと感じてる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2020年2月20日
読了日 : 2020年2月20日
本棚登録日 : 2020年2月20日

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