葬送のフリーレン (3) (少年サンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館 (2020年12月18日発売)
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本棚登録 : 2899
感想 : 65
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アウラをはじめとする魔族との戦いは人と魔族の違いを魅せてくれた物語だった。強大な魔力を持ち相手を服従させるアウラ、シュタルクの師匠・アイゼンの技を模倣するリーニエ、確かに魔族としては強い。しかし、フリーレンたちの強さには人の意志が宿っている。アイゼンもフランメも師匠たちがとにかくカッコいい!もちろんヒンメルも!彼らの思いはその弟子に、フリーレンからはさらにその弟子・フェルンへと受け継がれている。技術や魔力の真価はそれを扱う心にあるんだと感じられた。

そして、過去は現在を生きるためにある。故郷から逃げ出したことを気に病み続けていたシュタルクにフェルンが伝えた言葉。
「過去なんて関係ありません。私の見てきた戦士シュタルクは一度たりとも逃げ出していません。」
この一言には痺れた。フリーレンがザインへかけた言葉も好き。誰にだって後悔があり、過去は美しい思い出ばかりじゃない。だからこそ、今どうするかが大事なんだよね。フリーレンもそう。後悔こそ今をよりよく生きようとする一歩を踏み出させてくれるものなんだ。

今回は人と魔族、過去と現在の対比が味わい深くてとてもよかった。ザインが仲間に入ったらまた面白くなりそうなので、次も期待したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2020年12月19日
読了日 : 2020年12月19日
本棚登録日 : 2020年12月19日

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