予防接種を忌避する患者家族のため、勉強会を開催するみどりたち。「“仕事”を超えてでも伝えたいことがある。」という紹介文通りのメッセージ性と情報が濃密に詰まった7巻に仕上がっている。
新型コロナウイルスの流行で注目されているワクチンの意義や副反応。タイムリーな話題でとても勉強になる。感染症の医学書でも読んだけど、ワクチンで予防しないと対症療法しかない・抗ウイルス薬がないという病気もあり(おたふくかぜ・麻疹・風疹など)、リスクを正しく知ることが大事。
それはネットの情報や友人の言葉を鵜吞みにするのではなく、かかりつけの医師や薬剤師という責任が取れるプロにしっかりと相談すること。そして、家族で話し合うこと。ワクチン接種は確かに義務ではない。でも、自分や周りの命を守る権利であることを覚えておきたい。素朴な疑問も丁寧に説明されているので勉強になった。
それでも「ワクチン完全否定派の人にとっては効果やその証明もほとんど無意味」という現実。客に寄り添いたいドラッグストアの小野塚と、売り上げ第一の店長。そのやり取りもそうだし、商品棚の一コマにも葛藤が描き出されている。何を売って給料をもらってるか?という問いは店長自身が噛みしめるべき一言なはずなのにね。下手すれば依存症にも繋がりかねない薬というリスクを売っているのだから。
依存症に陥っている青年に「軽い気持ちで使い始めてしまったんだとしても 彼には『使う理由』があったんですから」と寄り添う小野塚はカッコいい。本当に成長したよね。心強い限り。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2021年10月23日
- 読了日 : 2021年10月23日
- 本棚登録日 : 2021年10月23日
みんなの感想をみる