道徳感情論 (日経BPクラシックス)

  • 日経BP (2014年4月18日発売)
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他人の喜びに共感しない者は、礼節が欠けているだけかもしれないが、
他人の苦しみや悲しみに共感しない者は、不人情として軽蔑の対象となる。
しかしながら、相手と完全に感情が一致することはない。
相手の苦しみや悲しみを少しでも和らげてあげたいと思えば十分である。
誰もが胸の中に住む中立な観察者(良心)と対話しながら、自分の行動を決定している。

多くの者は、富と権力の道を選択する。そうすれば人から注目、賞賛され、承認欲求が満たされるからである。
しかし、ごく少数の者は、知恵を極め、徳を実践する道を選択する。
知恵と徳の価値を知る賢い者は、世間の賞賛よりも自分自身の納得感に重きをおく。
評価基準は、他人ではなく、自分の胸の中の観察者である。
健康な体を持ち、借金に悩まされておらず、心にやましさがないこと。平穏な日常に楽しみを見つけて過ごすこと、それが幸福(心の平穏)。
それ以外の基準はいらない。
他人と比較して自分を評価する必要はない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年10月23日
読了日 : 2022年10月23日
本棚登録日 : 2022年10月23日

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