「中村さんの描く、男子の恋とか、友情とか、成長とか、夢とか、そういうものを読んでみたいんですよ」
そう言った編集者が、取材相手として引き合わせた一人の男性。
彼の名は、小森谷くん。30代前半の若者で、真面目そうな青年だった。映画の編集の仕事をしている、いたって普通の人だった。
だけど、「最近変わったことは?」の質問にこう答えた。
「んー特にないですけど。あ、でも何年か前ですけど、余命2カ月って言われました」
いたって普通な人、小森谷くんの物語。
小森谷くんとは、実在の人物なのかな?そう思わせるような構成だけど。
書き手側の意見や感想を排し、彼が生まれてからの出来事をあるがままに書いている文章は、レポートを読んでいるようで正直面白さを感じなかった。
というのも、小森谷くんは私の嫌いなタイプのせいかもしれない。いくら学生とはいえ、あまりにも先のことを考えていなさすぎる行動に、正直イライラさせられる。2浪もした上入った大学も、恋愛にのめり込み過ぎて単位を落とすなんて本末転倒すぎ。
辛い治療を耐え生還し、彼女もできて良かったねとは思うけど、それだけかな。こうなんか、伝わってくるものが感じられなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2016
- 感想投稿日 : 2016年8月13日
- 読了日 : 2016年8月13日
- 本棚登録日 : 2016年8月13日
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