人格障害論の虚像: ラベルを貼ること剥がすこと

著者 :
  • 雲母書房 (2003年1月1日発売)
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 36
感想 : 3
2

人格障害と言う概念は、社会全体の安心を目的として特定の個人を葬り去るために張り付けられるラベルでしかないのか?
アメリカから輸入された人格障害の概念を、批判的に再構築し打ち立てた独自の人格障害論。


心の障害・病に名前をつけることはとても難しいだろうと思う。明確に数値化することも出来ないだろうし、何より鑑定人によって判断が変わってしまうのがその証拠だろう。
ただ、この著書に書かれている人格障害が私の認識しているものとは違うのかもしれない。結局よく理解できないままに終わってしまった。
確かに精神に異常をきたすのだから、環境が大きく影響するものなんだろう。が、ここに書かれているものは家族主に親の責任のように感じられてどうなんだろうと考えてしまった。観念の上でとは言え、親殺しをしなかった為に実際に人を殺してしまったとい言われると、なんだか哀しいものがある。
確かに差別や排除のためのラベルは良くないと思うが、一方で病名をつけることで救われる人もいるとは思う。その上でしっかりと対処していくことが必要なんだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2014
感想投稿日 : 2014年6月19日
読了日 : 2014年6月19日
本棚登録日 : 2014年6月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする