「雪の降る町」「アジアンビート」「灰色の街」「キズ」の四篇が収録されており、巻頭の「雪の降る町」を除いた三つは共通のキャラクター、設定で描かれたシリーズものです。しかしどれも独立しているので単独でも読めます。
独特の絵柄で好き嫌いが分かれますが、トーンを余り使わずに書かれたその暗さが話のテンションともあっていて私的にはすごく魅力的です。静かで繊細な表現が多く、言葉や描写がどこか映画を見ているような気分にさせてくれます。
連載されていたのは女性向の雑誌ですが、テーマも恋愛というよりかは人間の心理描写を細かく…どちらかというと家族というものが根底にあるかんじ。どうにもならない不条理さや、それでも毎日生きていかなきゃいけない…という現実を、リアルに、それでも美しく書いた作品です。
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2007年2月26日
- 本棚登録日 : 2007年2月26日
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