マイケル・ジャクソン (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2010年3月18日発売)
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本棚登録 : 394
感想 : 51
5

日本におけるMJ研究の名実ともにトップを張る著者が、MJ急逝後の1年以内に発刊。MJの一生を俯瞰で眺めるだけでなく、雑誌にちりばめられていた、各人のインタビューを丹念にピックアップしており、MJファンは必読。ただ時系列をなぞっただけでなく、エピソードの肉付けが非常に面白い。
 特に1993年第1次児童虐待疑惑(21億円の示談金を支払って終結させたため、かえって児童虐待の疑いを世界中が深めていった案件)で、幻覚麻酔の技術を持つ児童の父親とその言いなりになる弁護士が組んで、児童の記憶操作を行いゆすりの告発をしかけたという暴露が、2004年に当該弁護士の秘書によって出版されていたという話にショック。アメリカの弁護士はとんでもないことやるんだなー、いまその暴露本を大河で取り寄せ中。
 あとMJがジャクソン家の5男なんですが、長男ジャッキーが1984年に不倫を知って激怒した本妻にクルマでひかれて骨折した際の不倫相手というのが、LAレイカーズのチアチームの振り付けを担当していたポーラアブドゥルだったというのも衝撃。ポーラアブドゥルはその後にJJの振付師となり、自らも全米ナンバーワンヒットを連発したスターになりました、がポーラアブドゥルの経歴からはこの不倫話はけっこう黒歴史扱いされているようで初めて知りました。
 それからG&Rのスラッシュがレコーディングに臨んだ際、MJが思いついたときにすぐ録音できるようにMJが立ち寄るどの部屋にも同じ機材がレンタルされており、無駄に莫大なレコーディング費用がかけられていることに呆れたらしい。「どのタイプのギターもあります、どのギターで弾きたいですか?」とスタッフに聴かれて「俺のもってきたギターに決まってるだろバカ」と答えたとさ。生まれついてのスターの経済感覚の差に呆れたとさ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2020年3月1日
読了日 : 2020年3月1日
本棚登録日 : 2020年3月1日

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