しばらく宗教から距離を置いてきた著者「ミッチ・アルボム」。
幼い頃よく通っていたユダヤ教会のラビ(宗教的指導者)から
ある日突然「自分の葬式で君に弔辞を読んで欲しい」と頼まれる。
信仰心を忘れかけていた自分にラビはどうしてそんな大役を頼んできたのか?
断る事もできず、仕方無く弔辞の題材を見つけるために取材を始めた。
その取材を通して著者は、ラビのこれまでの行いを知り、信仰についても考えはじめる。
この本はユダヤ教の素晴らしさを謳ったり、勧誘しているものでは無く、むしろ信仰から離れていた著者が客観的に感じた事を書いている。
指導者ラビの生き方や、人への思いやりの心は、
宗教に興味が無い人でも「なるほど」と納得させれらる。
特に、宗教というものに対して拒絶感のある人が読んでもためになる本という気がする。
「置かれた場所で咲きなさい」という本が今大ヒットしているが、
「ささやかながら信じる心があれば」も何かハッと気付かされる部分が沢山ある。
例えばラビの説教でこんな話がある・・・
農場主は「嵐の中で眠れる人」という推薦状を持った男を雇った。
ある日台風がやってきて、農場主は雇った男を呼びましたが、男はぐっすり眠って返事をしません。
そこで農場主が自ら納屋へ駆けつけるとびっくり。
ありとあらゆる台風への備えが全て準備万端にされていたのです・・・
そこで農場主は「嵐の中で眠れる人」の意味が分かったのです。
人生で大切にしていることに日頃から気を配っていれば。
愛する人に誠実で、信仰に沿った行いをしていれば、
後で悔恨に苦しむ事はありません。
「できたはずだ、やればよかった。」と苦悩してもがく事もありません。
嵐が来ても眠っていられるのです。
このような説教もいくつか入っています。
是非お勧めですよ~。
- 感想投稿日 : 2012年7月31日
- 読了日 : 2012年7月30日
- 本棚登録日 : 2012年7月30日
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