WIRED(ワイアード)VOL.38 (9月12日発売)

著者 :
制作 : WIRED編集部 
  • プレジデント社 (2020年9月12日発売)
3.45
  • (0)
  • (5)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 5
4

Wanderlust。越境への欲望。
おそらくコロナによって人類が感じたのは、旅への渇望だろう。旅で地球という大きなもの、それをちっぽけな部屋のなかではない大きな存在の中にいるという体験がそこにある。Overview Effectが畏怖と利他というテーマで挙げられているのも、きっとそんなつながりだろう。そして、もう一つが人と繋がることだろう。どれだけバーチャルで繋がろうとも、やっぱり直接のコミュニケーションは違う。それを求めて、人はある時からバーチャルを抜け、フィジカルに活路を見出す。言葉で伝えにくいけど、バーチャルにはないもの、それが、最も価値を生むというのが未来なのだというのが今回のテイクアウェイと言っても良い。スマートシティ論にも、若干の違和感を持ちつつ、何を都市が求めているのか、その本質を見ないといけない。場当たり的な、結論ありきのスマートシティではなく、本当の意味でのスマートシティを問うこと、つまり人は移動せずに、ウイルスから隔離された環境で、接触を避けて生きていく場所としてのスマートシティなのか、それともウイルスの拡大を防ぐ様々な仕掛けが施された街の機能としてのスマートシティなのか、グリーンや水など自然環境へ負荷をかけ続けた歴史を真の意味で反省してただ使わないというような少なくとも現在の摂理に反した行動に尖るのではない方策を考えるのか。越境への欲望は、我々のアイデンティティや、インセンティブがどうあるべきか、ディスラプティブであったと後から言われるであろう時に立っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サイエンス
感想投稿日 : 2020年10月5日
読了日 : 2020年10月5日
本棚登録日 : 2020年10月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする