そうしそうあい 6 (ジーンピクシブシリーズ)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年9月27日発売)
4.07
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本棚登録 : 226
感想 : 4
5

もう、ほんと、「いい」って言葉しか出ない
なんで、まだ、このアオハルドラマがドラマ化もアニメ化もしていないか、不思議でしょうがない
こんだけ、読み手のハートを揺さぶれる作品もないだろう
あまり、アニメ制作会社については詳しくないのだが、個人的には、『鬼灯の冷徹』のアニメ制作を任されている、スタジオディーンさんが作ってくれないかな、と思っている
『そうしそうあい』のキャラ達の声も、『鬼灯の冷徹』のキャスト陣に吹き込んでほしいな、ってのは、さすがに我儘か
ドラマ化なら、男性陣の体格や動き方を考えると、やはり、仮面ライダーか戦隊ヒーロー経験者の方がいいだろう
いつも、それだな、と言われそうだけど、特撮ヒーロー好きとしちゃ、こういう方面にも活躍の場を広げて欲しいのだ
この『そうしそうあい』はアクションがメインじゃない
けれど、出演していた特撮作品の中で、重厚な人間ドラマを成立させていた彼らなら、『そうしそうあい』の独特な雰囲気がある、アオハル感も再現できるはずだ
あくまで、私的な印象かつ意見であるので、スルーしてくれても、何ら構わないが、同意してもらえればうれしい
『そうしそうあい』に限らず、この手のアオハルドラマは、恋愛だけじゃなく、友情の面も大事になってくる
恋愛ばかりに重きをおいて、同性の友情ドラマがおざなりな作品は、ハッキリ言ってつまらない
恋愛と友情、どちらが大事って訳じゃなく、どちらも大事にするからこそ、作品の良さが成立するのだ
この(6)の表紙を飾っているのは、菊池と川崎、つまり、彼らの友情ドラマが収録されている
何故、彼らが、ここまでの親友となり、その付き合いが続いているのか、この(6)を読めば分かる。言い換えれば、この(6)を読まなかったら、本当の意味で、『そうしそうあい』の面白さに触れられないってことだ
喧嘩力で言えば、菊池の方が、川崎よりも明らかに上である
けれど、菊池の本当の強さは、腕っ節じゃない
強い人間を「強い」と認められる所だ
そんな菊池が「強い」と認めたのだから、川崎は決して、弱い人間じゃない
頭は弱いかもしれないけど、心は決して、脆弱じゃない
家族との関係に苦しみ、荒れ、悩んでいたけれど、どうやったら逃げずに向き合えるか、と葛藤し、強くなりたい、と望んでいたんだから
菊池が川崎を守ってやっているようでいて、菊池の支えになっているのは、いざって時に逃げ出さない、根性がある川崎の方
親友に毎度、奢らされている事に、ブチブチと言いながらも、何だかんだで甘やかしちゃうのは、菊池の悪いトコであるような気もするが
こんな関係の菊池と川崎の友情ドラマがあるからこそ、そうしとめぐみの恋物語が、適度な苦味が香る甘さを出せるのだな
ほんと、勉強させてもらっている、りべるむ先生には
めぐみがそうしの元カノに悪態を吐かれちゃったり、めぐみとそうしが小さい、けれど、自分にとってはなぁなぁには出来ない、したくない理由で喧嘩をしたり、そうしがめぐみに相合傘からの名前呼びのコンボを繋げられて、赤面したり、と
そうしとめぐみの恋物語には、様々な展開が起きて、楽しいなあ
どの話も良く、甲乙が付け難い一方で、巻末の描きおろしや四コマ漫画のレベルが高いのは、良い作品の証拠だ、とも思った
この台詞を引用に選んだのは、菊池のカッコ良さが出てるなぁ、と感じたので
川崎が惚れちゃうのも納得な漢気だ
台詞そのものは、特段、珍しかったり、オリジナリティがあるって訳じゃない
けど、どストレートに響いてくる
自分の価値を見出し、決め、認めてやれるのは、いつだって、自分だけだ
他人の物差しに、自分を測らせてはいけないのだ
いつだって、男は自分の行動を、自分の物差しで決めなきゃいけない
自分の価値を自分で決められなくなったら、悲しいぜ?
この台詞で、改めて、ドラマはライダーや戦隊ヒーローにやって欲しい、って想いが強まった
各々が出演した作品の中で、彼らは、常に、「強さ」について考えていたはずだ
なら、この二人の友情も、しっかりと表現できる、と信じたい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コッミク(MF)
感想投稿日 : 2018年12月1日
読了日 : 2018年10月23日
本棚登録日 : 2018年9月27日

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