プリマックス 5 (ヤングジャンプコミックス)

  • 集英社 (2016年6月17日発売)
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本棚登録 : 33
感想 : 4
5

毎週、YJで読んでいても尚、単行本の発売を気持ちを落ち着けて待つ事ができ、一気読みをする事で、「カワイイ」の底知れなさに戦慄を覚える
ついに、巻数が片手に達したのは喜ばしいが、ちょっと意外だったのは、この巻の表紙を飾ったのが、ツバメ・ツグミ姉妹(笑)だったコト。内容の流れ的に、てっきり、アイサキアオがバンッと飾るのでは、と予想していたので、書店に並んでいる、この(5)を見た時は一瞬だが、ハッキリと驚きを覚えた
内容は、イイ意味で相変わらず。漫画の質を5巻まで来ても、一切、落とさない柴田先生、蒼木先生、凄いわァ
プリマックスの中で、最も、「カワイイ」に対するキモチが、危ないほどに純粋なのはモン太。けど、それに引っ張られる形で、ツバメや竹雄の潜在能力も引き出されていく。これもまた、男も女もない、人間の友情の形だろう
あくまで、私の覚えた印象だが、この巻ではキャラクターの成長が描かれているように思えた
予想もしていなかった散々な結果でヤケになった挙句、告白→撃墜を繰り返すも、今の自分じゃ全力でタックルをしても倒せない、デカすぎる相手を見つけた事で「勝ちたい」意欲を得たツバメ
親友らの夢だけを一途に見て、努力を自分から重ねられ、なおかつ、それを楽しいと感じられる精神面に、自分が置いていかれている自覚を抱きながらも、そんな自分との対話で本心と向き合った竹雄
改めて、波長が合いだした三人の「カワイイ」は、十八番の乱入ステージで得た手応え、それ以上の惨敗で、また一つ、上の次元に繋がる道を拓いた
人間、しかも、「カワイイ」を目指す高校生の持つ可能性は無限大だ
しかし、この(5)で思いがけない成長を遂げてしまった、と言うよりは、半ば強引に新しい自分に塗り替えられたのは、誰でもない、アイサキアオだろうな
的確な表現か、書いている自分でも不安なのだが、人間、やっぱ、毒を飲み干すにも限度がある。少しずつ、ゆっくりと慣らしていくのが一番なのに、自尊心に急かされて、階段を駆け上がろうと毒で満たされた杯を一気に煽れば、痛い目を見るのは必至か。後悔先立たず、ってこう言う事なのかな・・・
あと、しみじみ思ったのは、スク水の破壊力。これまた、勝手な想像だが、原作を担当している柴田先生の趣味なのだろうが、蒼木先生にも、その気がなければ、ただでさえ、エロいアイテムであるスク水から、こうも魅力は引き出せない。こんな事で褒められても、両先生にとっちゃ不本意かも知らんけど、やはり、相性がバッチリなんだな
どの話も、今まで通り、「カワイイ」で溢れているが、最も笑ってしまったのは、#41「カワイイ舞台」だ。ツバメのテンパり具合、最高。まぁ、妹にバレりゃ、そら、気も動転して、奇行に走っちゃうわ
ブッ飛んでいるって意味合いで選ぶのなら、断トツで、#43「魂でカワイく」だろう。幻の2番、もやしの詞、パないっすよ、相当
この台詞を引用に選んだのは、ダメキャラが言うからこその、えもいわれぬ圧倒的な説得力が宿っていたから。「んなバカな」と思いはある。ただ、それなりに生きてると、「あれ、もしかして、あんとき」と感じる瞬間は確かにあった。男の成長は、理屈や理論じゃ説明できないモノであるべきか

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(集英社)
感想投稿日 : 2016年7月6日
読了日 : 2016年7月6日
本棚登録日 : 2016年7月6日

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