面白かった、この一言。
2012年に偶然発見された男性の人魚。そこから時代を超えて絡み合いながら人魚伝説の真実を追っていく壮大なストーリー。
正直最初は波に乗れなかったものの、第2章から徐々にひきこまれ、愛、偏見等込められた物語に読み終えるのが惜しいほど、魅了されてしまった。
特にホモ・アクアリウス説はまるで講義を聴いているかのように興味深く、浪漫なるものを感じた。そしてこの妙な説得力、これには真実かと錯覚するほど。
人間、人魚、双方が研究者の好奇心から背負ってしまった運命。
密とジェシーの長い記憶の旅は圧巻。想像力を掻き立てられる描写はさすがだ。
人魚が生き抜くために選んだ進化の裏に秘められた悲しみはせつなさの波に姿を変え大きく襲いかかってきた。
この物語が描く人魚と人間が違和感なくストンと自分の心に入り込んできた感じ。
忘れられない作品。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年3月28日
- 読了日 : 2019年4月3日
- 本棚登録日 : 2019年3月22日
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