喧嘩屋 取次屋栄三16 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2016年7月13日発売)
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感想 : 5
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喧嘩屋 ― 取次屋栄三シリーズの16作目
2016.07発行。字の大きさは…小(字の大きさは、中だが字が薄いので小)
喧嘩屋、思い出道場、付け払い、忍ぶれどの4話。

気楽流の印可を受けた剣客・秋月栄三郎は、大阪での用事を済ませて江戸に帰ってきて、手習い師匠、剣術道場の師範、人と人とを結ぶ取次屋として活躍します。

【喧嘩屋】
大阪からの帰り相州の平塚宿で、昔馴染みの喧嘩屋東蔵と5年ぶりに会った秋月栄三郎は、東蔵がこの5年の間、喧嘩もせず笑顔で暮らしているのを見て感心するが。何か屈託を抱えているので調べてみたら、我が子おまつが金貸しの大磯の梅助に売られようとしていた。

【思い出道場】
22年前の悪戯が白日の下に。
栄三郎、松田新兵衛、陣馬七郎は、17才の時稽古に通った麻布谷町の気楽流道場の師範連城陸太郎道場が取り壊されると聞き見に行くと、道場の地中に陸太郎の愛用の煙管を埋めたことがばれていました。3人で清くお詫びする。

【付け払い】
栄三郎の取次屋を手伝う駒吉が、久しぶりに会ったおくみの危難を救います。
駒吉とおくみは、お互いを想いあっていたが、駒吉が身分違いを理由に離れた過去を持っていました。そのおくみと再会をして、今度も逃げようとしましたが栄三郎の働きで、2人の仲が元に戻ります。

【忍ぶれど】
永井家の武芸場での栄三郎の立ち合いが爽快です。
栄三郎と、旗本三千石永井家の婿養子の姉・萩江とは、お互いに声に出さぬが想いあっています。萩江に、旗本千石・十河弥三郎との縁談が永井家当主勘解由から薦められると。栄三郎は、野鍛冶の出の剣客くずれでは、萩江には向かないと諦めているが。弥三郎と武芸場にて対戦すると見事に剣客として、また萩江の想い人として剣を振います。この剣が、実に力強く、驕ることなく、爽快でありました。萩江もこれを心に刻んで、1人ででも生きて行けると心を固めます。

【読後】
此度は、最後の「忍ぶれど」が良かったです。萩江は、武芸場で十河弥三郎と対戦する栄三郎の剣を見て心を決めます。このあと萩江と栄三郎の恋に進展が有るのか楽しみです。
2021.02.01読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2021年2月1日
読了日 : 2021年2月1日
本棚登録日 : 2020年12月20日

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