6才のボクが、大人になるまで。 [Blu-ray]

監督 : リチャード・リンクレイター 
出演 : パトリシア・アークエット  イーサン・ホーク  エラー・コルトレーン  ローレライ・リンクレイター 
  • NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
3.58
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本棚登録 : 91
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102366575

感想・レビュー・書評

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  • 家族を、生きるということを、見事に表現した映画。

    主人公の男の子6才から18歳の高校卒業、大学入学まで。実際の俳優たちも12年間かけて演じる。

    場面が移ると、1年後、そのまた1年後というように登場人物たちが成長している。

    一つ一つの出来事の描写はスケッチであって、長い描写はない。
    だが、この家族の、主人公達の人生が自分たちの中に広がっていく。

    それは、映画にない場面、時間が、我々観客にゆだねられているから。
    所謂、小説の行間を味合うような感覚がある。

    じっくりと時間をかけて撮られ、演出され、台詞も自然で、出てくる人物たちの関係性もリアリティがあり、彼らの世界が、生活がきちんと感じられるからだろう。

    力んで人生を解説するわけではない、誰にでもあるようなことを、さらりと表現している。
    160分近くの映画なので、だれたり、飽きたりしそうなものだが、そんなことはない。映画として、飽きさせないで提供する監督の力量にも恐れいった。

    両親が分かれて、母親に引き取られた姉弟たち。
    母親の新たな恋愛、新しい父親ができることがあって、家庭の形は色々変わる。

    その中で、実の父親とは定期的に子供たちは会っている。この父親に会うという行為がこの物語にも、子供たちにも一定の安住の空間を与えて、リズムを作り出している。

    子どもたちの成長によっても家族の関係は変わる。また
    新しい家族ができることでも家族の関係は変わる。子供たちも大きくなり恋愛するが、楽しく惹かれあう関係も、時が経ち、やがては破綻する。

    恋愛による幸福な瞬間と、新しい生活の終わり、この映画で、色々な登場人物の間で、何度も繰り返される。

    人生の中に、実は、安定しているものはない。
    時は移ろい、いつか、あるものはすべてなくなる。
    楽しいときもあれば、悲しいときもある。

    我々はそんな不確定ななか、移ろい、壊れやすいなか、何か愛するものをぼんやり信じながら、日々生き続けている。

    そして、この映画はそのような人々を暖かく見守っている。

    それは、最後のシーンの若い男女のやりとりにも感じる。とても希望に満ちた暖かい気分をもらえる。
    (このやりとりの、二人の視線、微笑みのタイミングがとても良いですね。)

    ___________

    どうしてみんな”一瞬を逃すな”って言うの?
    私はなぜだかそれを逆に考えちゃう
    一瞬は私たちを逃さない

    分かるよ 時間は途切れない
    一瞬というのは・・・
    常に今ある時間のことだ

    そうね
    ___________

    使われている楽曲もなかなか良かったです。

    ビートルズの解散後のソロ曲を集めたBLACK ALBUM、すごい共感してしまう。父親の子供性。
    (ちなみに私はビートルズはホワイトアルバムが一番好きなので、余計微笑ましかった)

    父親の車の中でかかる、ホンモノの曲として紹介される、Wilco。

    エンディングにかかるArcade Fire。
    まるで60年代のソフトロックバンドのよう。
    Arcade Fireは聞いたことなかったから、こんどきちんと聞いてみたい。

    あとは、主題歌のTweedy。
    すばらしい。Wilcoの人。子供とデュオ。この映画に合ってるな。

  • 6才の少年が18才の青年になるまでの12年間をそれぞれの役者がずっと演じることで、リアルタイムに年齢を重ねつつ撮影したというとんでもない映画。
    脚本に沿って撮影されているのでストーリーは作り物だけど、それぞれの役者の12年分の成長を165分という尺で一気に観るので、もはやドキュメンタリーと言ってもいい内容になっている。

    時には子供側、時には親の側と、それぞれの視点に感情移入し複雑な気持ちになった。
    ラストの母親が息子を送り出すシーン。気持ちは分かるけど、あんな感情のぶつけ方をするのにちょっと驚いた。
    必死に我が子を育てるがあまり、依存してたってことなのかな。

    しかし、よその子のは大きくなるのが早いって言うけど、ホントこれ!
    165分でそれぞれの12年分の成長を見守ることになるんだから。
    ストーリー的に大きな山がある訳じゃないから、余計に時間の流れというものを意識して観た。


    4.4点

  • 大した事件は起きずに12年かけて成長していく話しなんだけど、すごく面白い。親になった気持ちとはちょっと違うけど、画面上でただ1年ずつ成長していく姿を見ていくだけでこんなに面白いとは思わなかった。

  • どこがいいのかと言われると説明しづらい。
    6歳から12年間、同じキャストで人生をなぞっていく。その手法そのものがこの映画のテーマである。
    親戚の子の8ミリを見ている気分。かわいがっている子だから面白いし、あの子がこんなになって、なるほどこうやって成長していくのだなあとしみじみする。しかし他の人に話せるような印象的なエピソードはそうはない。
    つまるところ、それが生きると言うことなのだな……という映画なのだと思います。たぶん。

    是枝監督が好きな人は好きだと思います。

  • ほんとに成長してるので、声変わりに気づいたときは親戚のおばちゃん気分(笑)

  • もっと見ていたくて、あー終わっちゃったと思った。普通の映画よりも登場人物への思い入れが強くなるのが実感できた。
    でも本当はあんなにさらっとしてなくて、挫折とか恥かいたこととかもたくさんあったはず。自分の子供の頃を思い起こすとそんな思い出ばっかりだもん。

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