今日ではこの種のアートは誰もが当り前のように受け容れ、大したショックも受けずに気楽に好き嫌いを言うのが当り前のようになっている。
ところが団塊の世代に属す著者の国籍はカナダで、現在はアメリカ在住との由。
20代のいちばん苦しい修業時代のころの日本には、まだこの種のアートを受け容れる余裕はなかったことを考えれば、それが氏の国を去る理由の一つとなったのであろうことは同世代の人間には容易に想像がつく。
とはいえ、本書はそんな暗さは微塵も感じさせることなく、各時代・地域の人間が誇る代表的な絵画をダシにして、ひたすら人間を見下す猫の言い分を称揚してやまないところは、まことにお見事というしかない。ひたすら敬服した次第である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
美術・写真・ペット
- 感想投稿日 : 2013年8月18日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年8月18日
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