うーん枯淡の境地に達したという例のアレだろうか。過去の作品に感じられたロマンチシズムや色気がないような気がする。ファムファタールのシリーズ、すごく好きだったな。水気がなくて、樽木みたいにパキッとして、火をつけたらよく燃えそうな感じ。主人公があまり個性的でないのは過去の作品と同様。なんというか、古き良きハードボイルドなんだよね。
とはいえ、黒服という設定はよかった。限られた世界の住人だから事件の性質や登場人物に制限がかけられ、一方で夜の中でとても自由に躍動する主人公が生き生きしていた。
印象的だったのは最初の地上げの話。オチが読めたのが少し悲しかったけど、バブルのときの場末の住人の切なさが悲しくてねー。
純粋な物語としては星3つだけど、狂騒の時代を切り取った功績に星1つおまけ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年12月4日
- 読了日 : 2017年12月3日
- 本棚登録日 : 2017年12月3日
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