随分、文体が落ち着いたなーというのが最初の感想。鍼灸師として「からだ」に向き合う――それは、他者の身体でもあり、<私>の身体でもある点は相変わらず、とも言えるけれど。筆者のモットーは、まさに本書の標題通り。連合赤軍の永田洋子をめぐる回想録など興味深い点も多々あるが、それ以上に強い印象を残すのは、標題のような自己肯定を獲得する道程は、実はかなり困難な、まさに自己への拘泥や格闘の中から生まれたことなんだろうという気がすること。個人的には、拙くもあり、みっともないまでに激しくもある『いのちの女たちへ』の方がやっぱり好きだけれど、取っ付き易くはなっているし、幻の喜劇脚本も掲載されている点も嬉しい。ただ、個人的には、どーしても比較したくなるので、★3.5くらいかな。
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ジェンダー・セクシュアリティ
- 感想投稿日 : 2006年10月27日
- 本棚登録日 : 2006年10月27日
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