〈盗作〉の文学史

著者 :
  • 新曜社 (2008年7月1日発売)
3.49
  • (2)
  • (18)
  • (14)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 170
感想 : 24
4

大部な本だが、思いのほか読みやすい。著者は学者ではなくライターで、文学・評論業界の人々が濫用しがちな難解な用語ややたらもってまわった言い回しをかみくだき、わかりやすく読者に供してくれている。初めての包括的書物が編まれる上で、このテーマはおよそ最上の書き手を得たのだと思う。
記述は中立を心がけつつ、ところどころに控えめに著者の感想が挿入され、無味乾燥にまで堕してはいない。あとがきに至って、わずかに恨み節っぽい文章が散見されるが、それだけ大変な作業だったんだろうなあ…と、ねぎらいの気持ちが起こるのみである。

2011/10/15〜10/16読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 奇譚
感想投稿日 : 2011年10月16日
読了日 : 2011年10月16日
本棚登録日 : 2011年10月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする